『ロクサミ』主催の老舗レーベル<CROW MUSIC>、関西ヴィジュアル系シーンで担う役割

関西老舗レーベル、V系シーンで果たす役割

関西V系シーンで担う役割

 こうした事実からも分かる通り、<CROW MUSIC>が関西V系シーンにもたらす効果は、インディーズのV系バンドが活躍する“場”や“舞台”を生み出していることだろう。特に、『ロクサミ』のような動員数の多いイベントは、バンドにとって新規のファンを獲得するチャンスの場でもあり、観てくれる人がいることを実感できる場でもある 。しかも、自社レーベルのバンドだけにではなく、インディーズで活動する全てのバンドに開かれた場であることも、シーンが活性化するポイントだ。そう、<CROW MUSIC>の活動からは、V系シーン全体を盛り上げたいという気概が感じられるのだ。特に、『ロクサミ』ほどの大規模なイベントを、ほぼ手弁当で毎年開催するのは相当な労力だと想像するが、それでも続けているのは、V系シーンへの愛情からではないだろうか。<CROW MUSIC>の代表、TATSUYA氏は、もともとV系のバンドマンだった。自分が育ったシーンで、今活動する後輩たちに何かしたい。そんな気持ちが根底にあるのだろう。関西V系シーン活性化の背景には、V系シーンへの愛着を感じられるレーベルの存在がある。彼らが作り出す舞台で暴れまわるV系バンドが今後も登場することを期待したい。

■小川あかね
京都府在住。関西拠点の音楽レヴューサイトki-ftに参加しています。
Twitter:@akam00n

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