フジロックで圧巻のライブ! アンダーソン・パーク、GREEN STAGEを熱狂のダンスフロアに

アンダーソン・パーク、圧巻のパフォーマンス

 そして後半、「Am I Wrong」と「Lite Weight」というフロアライクなハウスチューンの2連発では、楽曲に深くローパスフィルターをかけて、オーディエンスはそれに合わせて踊りながらしゃがんでいきます。そこからフィルターが徐々に消えていき、サビが来た瞬間の光景は見ものでした。あそこまで爆発している光景は見たことがないと思えるほどの盛り上がりぶりで、見知らぬ者同士でさえ笑顔を交わすほどに会場は一体感に包まれていました。まさに大自然の中の巨大なダンスフロアといった様相です。

 アンダーソン・パークは、楽曲も素晴らしければ、ラップやドラムのスキルも凄まじいものがあり、それは音源でも十分に感じることができるのですが、とにかく“ライブが巧い”ということも特筆すべきかと思います。曲順、アレンジ、MC、そしてドラムという飛び道具の使いどころまで含めて、オーディエンスの空気を的確に読み、そのテンションを確実に高めていくステージングの見事さに、ミュージシャンとしての圧倒的な実力を感じることができました。

 また、筆者は今回10年ぶりに『FUJI ROCK FESTIVAL』を訪れたのですが、以前に比べて気持ち良さそうに踊る人ーー特にブラックミュージックで踊る人がすごく増えたと感じました。自然の中で、大人数で踊る気持ち良さを存分に堪能できたのは、今回の『FUJI ROCK FESTIVAL』で何よりも嬉しかったことのひとつです。アンダーソン・パークのライブが特別な祝祭感に包まれたのは、オーディエンス側のリテラシーの高さも確実に影響していたでしょう。『FUJI ROCK FESTIVAL』という空間自体もまた、オーディエンスとともに年々進化しているのだと実感しました。アンダーソン・パークが次回、『FUJI ROCK FESTIVAL』を訪れた際は、きっとヘッドライナー級のアクトとなっているはずなので、筆者もまた1リスナーとして、音楽への好奇心を絶やさずに心待ちにしたいと思います。

(文=松田広宣)

■イベント情報
FUJI ROCK FESTIVAL ‘18
2018年7/27(金)28(土)29(日)
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
http://www.fujirockfestival.com

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