けやき坂46はより高いステージへと駆け上がるーー“走り出す瞬間”を体現したツアー最終公演レポ
高い目標を立てて終えるラスト
そして本編最後の楽曲は「車輪が軋むように君が泣く」。ここで会場全体の大合唱が起きた。この曲は端的に言って”世代交代”の歌だ。〈古い列車は古いレールを走って/古い車輪が軋む/次の世代は新しいレールの上〉と会場全員がコーラス。それはまさしく今の彼女たちが体現しようとしていることである。この日はアンコールで活動休止中の影山優佳が途中参加。久々にファンの前に顔を出した影山は「やっぱり私って、ひらがなが大好きなんだなって……」と満面の笑みで話すと、この日一番の歓声が湧き上がった。
その後、1期生全員揃って「ひらがなけやき」「僕たちは付き合っている」を歌唱し、”1期生の絆”を確かめ合う。グループの目標の込められた「約束の卵」を全員で歌い上げ、終演へ。「ライブが私たちの帰ってくる場所」と話すキャプテン佐々木久美の言葉で多くの観客が頷く。
自らの足で走り出し、独自のカラーを発揮、メンバーの絆を示して、さらに高い目標を立てる。今の彼女たちが見せられる中での最大限のパーフェクトなライブをやり切った。ダブルアンコールでは「NO WAR in the future」を再度披露。最後にはステージから会場の真逆の扉へと走り去っていった。ファンはメンバーへ向かって手を振り、彼女たちのその姿勢を後押ししているかのようだった。
(文=荻原梓/写真=上山陽介)