『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~』

Aqoursが全国ツアー初日で見せた、『ラブライブ!サンシャイン!!』2期総集編のような世界

 人気メディアミックス作品『ラブライブ!』の新シリーズとして、2016年7月のテレビ放送開始以降大きな人気を集めてきた『ラブライブ!サンシャイン!!』。その劇中から誕生したユニット・Aqoursによる『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~』の初日公演が6月9日、埼玉・メットライフドームで開催された。このメットライフドームは、2017年9月に開催された2ndライブのファイナル公演が行なわれた思い出の場所。2ndライブを終えた舞台から、新たなツアーがスタートすることになった。

 『ラブライブ!サンシャイン!!』は静岡県沼津市の田舎町・内浦にある統廃合間近の学校=浦の星女学院を舞台に、シリーズ第一弾の主人公・μ’sに憧れてスクールアイドルを目指す少女と仲間たちが「自分だけの輝き」を探して奮闘する姿が描かれる青春群像劇。その劇中ユニットとして誕生したAqoursのライブは、『ラブライブ!』シリーズの伝統でもある、アニメ映像とメンバーの振り付け/衣装/会場のカメラワークが連動する2次元/3次元の高いシンクロ率が最大の特徴だ。今回のライブはアニメ2期が終了してのツアーとあって、2期のダイジェスト映像パートとライブとを交互に展開する構成で進められていく。

 会場は3面のスクリーンやハート、虹、星、風船などをあしらったカラフルな雰囲気で、ステージからのびる花道がドーム中央の円形のサブステージと繋がっている。まずはAqoursの9人=高海千歌役の伊波杏樹、桜内梨子役の逢田梨香子、渡辺 曜役の斉藤朱夏、松浦果南役の諏訪ななか、黒澤ダイヤ役の小宮有紗、津島善子役の小林愛香、国木田花丸役の高槻かなこ、小原鞠莉役の鈴木愛奈、黒澤ルビィ役の降幡 愛がステージに登場すると、フルVer.では初披露となる『ラブライブ!サンシャイン!!』2期のOPテーマ「未来の僕らは知ってるよ」でライブをスタート。Aqoursらしい王道のポップソングに乗せて〈未来の僕たちは/きっと答えを持ってるはずだから/ホンキで駆け抜けて〉と歌われる、シリーズの魅力を象徴するような楽曲でライブの幕を開けると、中央のスクリーンで展開されるアニメ映像とAqoursのメンバーの振り付けが見事に連動し、観客も〈I live, I live Love Live! Days!!〉という歌詞を大合唱。ドーム会場に序盤から巨大な一体感が生まれていった。

 以降も2期の楽曲を中心としたセットを次々に披露。「君の瞳を巡る冒険」や、往年のソウル曲を思わせる「“MY LIST” to you!」、2期第3話で放送されたアニメーションとAqoursの振り付けがシンクロした「MY舞☆TONIGHT」、2期でも印象的に使われることとなった1stシングル曲「君のこころは輝いてるかい?」など、円形のサブステージも効果的に使いながら、ほぼ時系列順に2期の物語を再現していく様子に興奮が止まらない。続いて、「輝きって、どこから来るんだろう?」というセリフからスクリーンで『ラブライブ!サンシャイン!!』2期のダイジェスト映像がはじまると、映像の最後には、『「ラブライブ!」地区予選』突破に向けて3年生メンバーが温めていた(過去に挫折した)秘策を、2年生メンバー高海千歌が練習する様子が流れ、Aqoursがふたたび登場。そして披露された「MIRACLE WAVE」では、『「ラブライブ!」地区予選』本番の映像と連動する形で高海千歌役の伊波杏樹がバック転を決めて紙吹雪が舞い、パフォーマンスが終わった瞬間崩れ落ちる彼女に、メンバー8人がすぐさま駆け寄っていく。その後伊波杏樹が「千歌、飛んだぞー!!」と感極まって叫ぶ姿は、間違いなくライブ序盤のハイライトだった。

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