香取慎吾は生き様そのものが“アート”である ルーブル美術館での初個展に寄せて
その世界の伝統や決まりごとを知らない私たちにとって、香取の活動はシンプルにアートを身近に感じる機会をくれた。『NAKAMAdeART』のコラボレーションで、今まで知らなかった若手アーティストに親しみを持ち、彼らの作品を味わい、これからも応援していきたくなった。さらには鑑賞するだけではなく、SNSで「ぬってみよう!」(引用:香取慎吾オフィシャルTwitter)と自らのイラストを公開し、ぬり絵をすすめる。多くのフォロワーが思い思いに色を付け、次々とアップ。その作品たちに、香取は「みんなスゲくイイよ とっても素敵だNAKAMAdeART! ダメもヘタも無理もないよ〜 正解なんてな〜い.あるのは自由だけ 自由にやってみる.やってみたならアナタも画家です! 私もアナタも NAKAMAdeART!」(引用:香取慎吾 オフィシャルInstagram)とコメントをつけて、人々の遊びゴコロに火をつけていく。
まだ見ぬ世界へのきっかけを作り、多くの人を巻き込み、共に遊ぶ。それはアイドルの香取にしかできない活動ではないだろうか。先述した横尾の“美術の世界は怖いですよ”コメントには続きがある。「でもあなたはみんなに愛されているから心配無用です」。これからも、より自由に、より柔軟に。風通しよく、突き進んでほしい。香取慎吾という生き様そのものが、誰にも描けないひとつのアートなのだから。
(文=佐藤結衣)