宇多田ヒカル、“恋の始まり”をどう表現? 『花男』シリーズ「Flavor Of Life」「初恋」聴き比べ

宇多田ヒカル『初恋』

 「Flavor Of Life」から11年。2011年にはアーティスト活動をいったん止め、“人間活動”に専念することを告げるも、2016年から活動を再開し、翌年には8年ぶりとなるオリジナルアルバム『Fantôme』を発売。宇多田ヒカルの作詞家としての手腕は、さらに研ぎ澄まされている。また、その間にはプライペートでも、母・藤圭子の死、二度目の結婚と離婚、出産と様々な経験をしたはず。「初恋」は、そんな彼女自身の経験が幾分か投影されているのだろう、とつい憶測してしまうような生々しく切実な筆致で綴られている。

 そして、宇多田ヒカルが6月27日に発売するオリジナルアルバムのタイトルも『初恋』である。すでに発表されている「Play A Love Song」「あなた」「Forevermore」「大空で抱きしめて」は、歌詞を読む限りすべてラブソングと言って差し支えないだろう。デビュー20周年目に表現する宇多田ヒカルの“初恋”とはいったいどんなものなのだろうか。もちろん、期待しかない。

(文=若田悠希)

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