DEVIL NO ID、クリエイターとのコラボによる“音楽的冒険” 洋楽シーンとリンクするサウンドを分析

DNI、海外シーンと接近するサウンドを分析

 2016年、沖縄ストリートシーンに突如現われたガールズダンスクルー、DEVIL NO ID。彼女たちの2ndシングル曲「Sweet Escape」を、Pa’s Lam Systemがリミックスして新たな楽曲に生まれ変わらせた「Sweet Escape[Pa's Lam System Remix]」が配信リリースされた。

 DEVIL NO IDはボーカルのkarin(カリン)、hana(ハナ)、ラッパーmion(ミオン)の3人からなるダンス&ボーカルグループ。うとまるが手掛けたビジュアルイメージを活かしたSF/サイバーパンク的な世界観のコミックを筆頭に様々なメディアミックス的展開を行なっており、2016年の本格デビュー以降、「ミュージック」「ビジュアル」「ダンス」「ストリート」「マンガ」「サブカル」といったキーワードを横断する刺激的な活動を続けている。中でも音楽面での冒険は素晴らしい。まずはこれまでの音楽性を振り返ってみよう。

【MV】 DEVIL NO ID "EVE -革命前夜-"(Full ver.)

 これまで彼女たちのシングル曲で大きな役割を果たしてきたのは、自身名義でのクラブミュージックの先端をブレンドした楽曲群に加えて、ももいろクローバーZの「Neo STARGATE」などを筆頭に他アーティストのプロデュース/アレンジも多数手掛けるTeddyLoidの存在だ。2016年9月の1stシングル『EVE -革命前夜-』は彼がサウンドプロデュースを担当し、2ndシングル『Sweet Escape』、3rdシングル『シグナル』の表題曲でもアレンジとミックスを担当している。

【MV】DEVIL NO ID "まよいのもり"

 また、3rdシングルのM2「まよいのもり」ではMonster Rionがサウンドプロデュースを担当。Monster Rionはエレクトロ/ヒップホップシーンで活躍するプロデューサーSONPUBと、レゲエを主体に活動するMC/セレクターのThe BK Soundのユニットで、この楽曲はダンスホール~レゲエとトラップ以降のベースミュージックを融合させた楽曲に。Major Lazer&DJ Snakeの「Lean On (feat. MØ)」や、Drakeの「One Dance」のヒットで世界的に再ブームが巻き起こったダンスホールをいち早く取り入れた。

【Trailer】 DEVIL NO ID × KiWi 「かしましサバト」

 続いて2017年10月に発表したデジタルシングル「かしましサバト」では、AZUpubschoolとCOR!Sによるコンポーザーデュオ、KiWiがプロデュースを担当。彼らがKLOOZとともに作詞作曲にも関わることで、ハロウィンを思わせるファンタジックな空想の世界を生み出した。KiWiはもともと空想上のストーリーを原案にした物語性の高い楽曲に定評があり、同時にディプロが主宰するレーベル<MAD DECENT>などからのリリースでも知られるなど、海外からも支持を集めている。また、彼らの楽曲には「おばけのキウィ」などを筆頭におばけが登場するミステリアスな世界観の楽曲が多数あるため、この「かしましサバト」ではトラップを取り入れつつも、ハロウィンシーズンにもピッタリの不思議なサウンドに仕上がっていた。

 2018年には、これまでリリースしてきた楽曲を気鋭のトラックメイカーたちがリミックスする企画もスタート。第1弾として2月25日に配信リリースされた「BANDANA[Masayoshi Iimori Remix]」では、三浦大知の「EXCITE」に楽曲提供したCarpainterも名を連ねる渋谷発のクルーTREKKIE TRAXや、スクリレックスが出資するメディア/レーベル<Nest HQ>からの作品で知られ、最近では人気YouTuber・アバンティーズの「アバみ」をプロデュースしたことも記憶に新しいMasayoshi Iimoriがリミックスを担当。ベースミュージックの最先端で冒険を繰り広げる彼の手によって、原曲にもあったメンバー3人によるMigosなどにも通じるトラップ由来のラップパートを活かしたフロアバンガーが誕生した。

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