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高橋芳朗が選ぶ、ニュージャックスウィング再評価の今聴きたい新作たち

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 ニュージャックスウィングにオマージュを捧げたブルーノ・マーズ「Finesse」の大ヒット、TLC「Waterfalls」(1994年)やラルフ・トレスヴァント「Sensitivity」(1990年)なども取り上げたミシェル・ンデゲオチェロのカバーアルバム『Ventriloquism』のリリース、コモン+ロバート・グラスパー+カリーム・リギンスからなるスーパーグループ=August Greeneによるサウンズ・オブ・ブラックネス「Optimistic」(1991年)のカバーなど、2018年に入ってから俄然再評価の気運が高まるニュージャックスウィング期~90年代前半のR&B。今回のキュレーション連載では、そんな流れのなかで聴きたいR&Bの新作を比較的メジャーなところから5タイトルほどピックアップしてみました。

Bruno Mars – Finesse (Remix) feat. Cardi B
Meshell Ndegeochello – Waterfalls
August Greene – Optimistic feat. Brandy

 まずはタイ・ダラー・サインとのコラボアルバム『Mih Ty』も楽しみなジェレマイのEP『The Chocolate Box』。ここ日本でも話題になったモンテル・ジョーダン「Get It On Tonite」(1999年)ネタの「I Think of You」をはじめ、セヴン・ストリーター「Anything U Want」(SWV「Anything (Old Skool Party Mix)」を引用)やザ・ゲーム「Oh I」(Blackstreet「Get Me Home」、Soul For Real「Every Little Thing I Do」を引用)といった客演曲など、なにかと90’s R&Bと相性の良いジェレマイですが、なんと今回のEPにはH-Town「Knockin’ Da Boots」(1993年)の実質的なリメイクといえる「Forever I’m Ready」を収録(タイトルはJodeci「Forever My Lady」のもじり?)。さらにはボビー・ブラウンの傑作スロージャム「Rock Wit’cha」(1988年)ネタの「Cards Right」なんて爆弾も仕込まれていたりと、近年の彼が確信的に1980年代後半~1990年代のメロウネスを取り込んでいることがよくわかる内容。ジェレマイの歌い手としての資質を考えても、この路線は今後さらに推し進めていってほしいものです。

Jeremih – Forever I’m Ready

 続いては、3月の来日公演の記憶も新しいBJ・ザ・シカゴ・キッドとロ・ジェイムスによるJodeci「Come and Talk to Me」(1991年)のカバーを。ふたりはロ・ジェイムスの「Already Knew That (Remix)」ですでにコラボ済みなのに加え、2017年の第59回グラミー賞では揃ってベストR&Bソロ・パフォーマンス賞にノミネートされている間柄ですが、これは5月からスタートする合同全米ツアー『The R&B Tour』の旗揚げに合わせてレコーディングされたもの。BJはミックステープ『The M.A.F.E. Project』収録のアリーヤ「One In a Million」(1996年)のカバーで「Feenin’」(1993年)をサンプリングしていたほか、デビューアルバム『In My Mind』の「The Resume」でも「Stay」(1991年)を引用していたりと機会あるごとにJodeci愛をちらつかせてきたわけですが、今回もロ・ジェイムスとの「なりきりK-Ci & JoJo」ぶりが微笑ましいナイスカバーになっています。BJのJodeciに対する思い入れからすると、ツアー本編ではこのカバーを軸にしたJodeciメドレーなんて企画が持ち上がってくるかも?

BJ The Chicago Kid & Ro James – Come and Talk to Me
チャーリー・プース『Voicenotes』

 今後リリースの新作で1980年代後半~1990年代前半のR&Bのエッセンスが強烈に打ち出されることになりそうなのが、5月11日に発売予定のチャーリー・プースの2ndアルバム『Voicenotes』。チャーリーが表紙を飾った『Billboard』誌2月3日号のインタビューによると、今回のアルバムのイメージは「1989年にニュー・エディションを聴きながら荒れた道を歩いているような感じ」とのこと。さらに彼はベイビーフェイスやジミー・ジャム&テリー・ルイス、テディ・ライリーといった1980~1990年代のスーパープロデューサーからの影響が色濃い作品になるだろうとも話していますが、ボーイズIIメンをフィーチャーした「It’s So Hard to Say Goodbye to Yesterday」(1991年)のオマージュ「If You Leave Me Now」の出来からいってこのチャーリーコメントには全幅の信頼を寄せていいのではないかと。引き合いに出されている名前がブルーノ・マーズのグラミー受賞時のスピーチともろにかぶっているからというわけではありませんが、個人的には「Versace On The Floor」や「Too Good to Say Goodbye」みたいな曲がぎっしり詰まったアルバムを期待しています。今回の連載の趣旨からはちょっと逸れますが、Wham!「Everything She Wants」をモチーフにした「Done for Me」、ダリル・ホール&ジョン・オーツ「I Can’t Go for That」を彷彿させる「How Long」、すでに全米チャートで最高5位をマークするヒットになっているファンキーディスコ「Attention」など、「If You Leave Me Now」以外のリードトラックも総じてハイクオリティなのでぜひご一聴を。

Charlie Puth – If You Leave Me Now feat. Boyz II Men
Charlie Puth – Done for Me feat. Kehlani

      

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