コブクロ、JUJU、flumpool……楽曲を漫画にするコラボが続々 “新たな表現手法”に注目
さらにflumpoolの音楽からも一つの漫画作品が誕生している。12月26日にリリースされたシングル曲「とうとい」からインスパイアを受けた『とうといとき』である。LINEマンガで公開されたこの漫画は、歌詞をテーマにしたオムニバス形式のストーリーを全8話で展開。例えば「#1」では、冒頭の歌詞〈君に何から伝えるべきだろう?〉の一節を表現する複数のイラストに、詩的な短い言葉がいくつか添えられている。セリフでストーリーを展開するというよりは、イラストやその言葉から読み手がメッセージを受け取るという趣だ。さらに「とうとい」のMVでは、早見あかりが漫画家に扮し、『とうといとき』を作り上げていく姿を表現。MVの中で現実と仮想、音楽と漫画がリンクしていくという面白い手法が取り入れられている。
漫画、アニメ、小説、ドラマ、映画……歌詞の中に一つのストーリーが存在するJ-POPとそれらのコンテンツはもともと相性がよい。作品の世界観を彩る主題歌としての役割を果たしてきた音楽だったが、ここに来て、音楽の世界観を軸として漫画やアニメが作られる文化が新たに構築されつつある。作品を生み出す手法の広がりが各コンテンツ発展の一助となり、相互のファンに作品を届ける機会を生むことにもなりそうだ。
(文=久蔵千恵)