中居正広、なぜ音楽番組のMCに引っ張りだこ? これまでの“名司会ぶり”から考える

 中居正広が、4月7日夜7時から生放送される『CDTV祝25周年SP』(TBS系)の司会を務める。「ずっとこだわってたところがあったんですよ。テレビは音楽番組がないと歌手の人、出られないって」。昨年8月、音楽バラエティ番組『Momm!!』(TBS系)が最終回を迎えた際、中居はラジオ『中居正広 ON & ON AIR』(ニッポン放送)で、こんなことを語っていた。中居がSMAPとしてデビューした90年代前半、続々と音楽番組が終了し、アイドルとしてパフォーマンスを披露する場がない苦悩を味わった。その経験から、音楽番組を守り続けていくという信念が生まれたのだ。

 中居の司会業に対する評価は、年々高まりを見せている。特に、やり直しのきかない生放送では、司会がいかにトラブルに対応できるかが要になる。かつて『音楽の日2016』(TBS系)で見せた、平井堅の機材トラブルへの機転の効いた言動は「神対応」と絶賛された。イヤモニから音が出ないというハプニングに見舞われた平井は、やむなく歌唱を中断。すると中居は「大丈夫ですよ。編集でバッサいきま……あ、生放送でしたね」と、平井を気遣うと同時に会場を和ませた。また「テレビをご覧の皆様、そして平井堅さん、大変申し訳ございませんでした」と番組を代表して誠実に謝罪する姿は、まさにMC(master of ceremonies)の鑑と呼ぶにふさわしい。

 「あんなトラブルあるんだね」放送直後のラジオでは、とっさの判断が求められた舞台裏を語った中居。イヤモニを指差す平井の行動に違和感を覚えたという。「指示するスタッフがいるのよ、で、目が合うのさ。で、僕がまずバツ印するのよ。“止める?”って」すると、スタッフは手の平を突き出し“待て”の指示を出したそうだ。さらに中居は指を1本立てて、“もう1回いく?”……という攻防が繰り広げられてたという。まるで、野球のバッテリーで見られるサインの出し合いのようだ。

 生放送の歌番組では1曲終わるごとに、30秒単位でタイムスケジュールの押し=遅れ、巻き=巻き返しが伝えられると、続ける中居。何時間にも及ぶ番組であっても、積み重ねていくと取り返しのつかない事態になってしまうのだそう。「2分押しでも焦り出す。5分押しはどんなことがあってもありえない」と話す。そんな緊迫した中で、1曲を仕切り直すという判断が、どれほど勇気のいることなのかが伝わってきた。

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