buzz★Vibesが語る、ユニットの未来 森久保祥太郎「進めば進むほどやりたいことが増えていく」

buzz★Vibesが語る、ユニットの未来

森久保祥太郎「『U R my LOVER』は僕の中で最も素直に気持ちを書けた曲」 

――そんな「Screamin' 2nite」のデモをどのように考えていったのでしょうか?

Shinnosuke:覚えてるのが、プロデューサーが飲みの席で、「たとえばbuzz★Vibesが、タイアップでアニソンを制作したとする。そしたら、いわゆるザ・アニソン的な楽曲じゃなくて、ファンクコード一発物で1分半もたせたらすごいよね」っていう話をしてたんですよ。僕の中で、その言葉が妙にハマったんですよね。だけど、ファンクだけでやるのはちょっと大人すぎるなって思いました。僕はポピュラリティのある曲もすごく好きなので、やっぱりサビはちゃんとしたいなと。

――なるほど。今の話がまさに「Screamin' 2nite」の曲の構造になっていますよね。

Shinnosuke:そうなんですよ。やっぱり洋楽に憧れてた世代なんで。僕は、プリンス、マイケル・ジャクソン、ジャネット・ジャクソンなどが大好きだったので、そういうミネアポリス・ファンクを真剣にやりたかったんですよね。まずは、自分でやりたいことぶつけてみようと思って作ったら、うまく刺さってくれたようです。

――森久保さんの歌い方も、だいぶ変わっている印象です。

森久保:そうですね。自分のソロ活動とは、湧いてくるモチベーションが違うので、意識して歌声を変えてるというよりは、必然的に変わっているという感じです。僕は声優をやってて、「こういうキャラクターだからこういう声を作る」っていう芝居はしたことないんですよ。やっぱり声って気持ちから出てくるから。あとはこの活動自体、マイノリティというよりもマジョリティな方向に振りたいっていうのがあったので。でも「Screamin’ 2nite」は、キャッチーさやポップさが集約されてるんだけど、狙いすぎてない。寄り道がちゃんとあるんですよね。

――森久保さんは、プリンスやマイケル、ジェームス・ブラウンなどを彷彿とさせるコールのような合いの手も入れていますよね。

Shinnosuke:あれかっこいいですよね。アドリブというかね。

――これは自然に出てきたのですか?

森久保:いや、自然にでるものもありますけど、デモから「この譜割りに入れて」みたいな感じで入っているので、それを忠実になぞってます。聴いててもかっこいいし、それがもう秀逸なので。

Shinnosuke:僕がガイドでいれたものを、フィルターを通してうまく変換してやってくれるんですよ。歌謡曲やポップスとかって、アドリブテイクやセリフっぽさがあまりないじゃないですか。僕は、いかに洋楽っぽくするかに重きを置いていたので、そういうのを積極的に取り入れました。

――森久保さんは、そこにどう歌詞を乗せていったのでしょうか?

森久保:「Screamin’ 2nite」は、“はじめまして。これがbuzz★Vibesの歌。お気に召してちょうだい”っていうようなテーマだったので、そのままの気持ちを綴りました。ミニアルバム全体に関しては、”THIS IS 俺”でやってきたことは、一切捨てようと思って。詞はもちろんのこと、メロディに対する言葉の乗せ方も、今までだったら絶対にやらなかったことをあえて挑戦しました。基本的には、ファンキーかつラブリー、そしてスイートな曲なので、ポジティブなオーラあふれる詞にしたいなっていう気持ちがあります。でも、僕はフィクションを描くのが、すごく苦手だなってことに改めて気付いて。実際に自分が体験したもとの感情があって、そこから膨らませて脚色するのはいいんですけどね。あと人様に書くのは別だけど、自分が歌うとなると乗らないんですよ。

 で、結構な急ピッチで作業が進む中、5曲目の「U R my LOVER」あたりで、どうしよう、ラブリーな引き出しがもうない……って切羽詰まって。「U R my LOVER」は、メロディーやアレンジ含め曲全体の雰囲気が、すごくラブリーでスイートな曲だったので、そこにド直球のものを乗せるよりは、逆にちょっとシニカルな角度でいった方がいいかなって思ったんです。だから、詞の内容は、もっともっと君に気の利いた愛のメッセージを送りたいけど、もうギリギリさっていう。結果的に、僕の中で最も素直に気持ちを書けた曲になりました。今後、このbuzz★Vibesで僕が表現していく世界観がわかった曲でもあります。

――<Crazy 4U>や<Well’ B 2gether>など、歌詞の表記も意識していますよね。

森久保:それはもう、プリンス先生ね。

Shinnosuke:本当だったら「i」も目のマークにしたくらいですからね(笑)。

森久保:今考えると、なんか若い子が使う“LINE言葉”みたいな。(笑)。

Shinnosuke:走りだよね、記号化する。

――二人がずっと聴いてきた音楽のエッセンスが、そこに活かされているんですね。

Shinnosuke:やっぱりみんな、好きなことの真似から入ってるんで。

――『buzz★Parade』のほかの曲についても聞きたいのですが、1曲目の「buzz★Parade」、2曲目の「Screamin’ 2nite」でキラーチューンがきて、3曲目の「FAKE?」で、また違うセクシーな雰囲気になりますよね。

Shinnosuke:この曲に限らずなんですけど、「こんなのもどう?」っていう曲を色々とぶつけようと思って、たくさんデモを作ったんですよ。バラードもありだろうし、ライブやるにあたっていろんな見せ方が必要だから、こういうちょっと昔っぽくて大人なR&Bもやりたいなと思って作りました。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる