L'Arc~en~Ciel、サカナクション、RIZE、アジカン、チャット…キャリアバンドの記念碑的作品

ASIAN KUNG-FU GENERATION『BEST HIT AKG 2(2012-2018)』

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONにとって『BEST HIT AKG』から6年ぶりとなるベスト盤『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』には、2012年以降、つまり震災が起きた後に制作された楽曲がコンパイルされている。2010年前後には壁にぶつかっていたようにも見えたアジカンは、震災を契機にして“自らやるべきこと”を見つめ直し、バンドとしての一体感を取り戻した。特に本作に収められた最初の2曲(「夜を越えて」「踵で愛を打ち鳴らせ」)には、音楽に対するモチベーションを新たに掴み直した彼らの瑞々しいパワーが宿っていて、いま聴いても強く心を揺さぶられる。また、Foo Fightersのプライベートスタジオで録音されたアルバム『Wonder Future』(2015年)をきっかけにシンプルかつラウドなギターロックに回帰。サウンドの変化を時系列で追えるのも本作の魅力だ。

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『CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜』

 2018年7月に“完結”するチャットモンチーのトリビュートアルバム『CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜』。恋の痛みを濃密なエモーションとともの放ちまくる忘れらんねえよの「ハナノユメ」、未来的なエレクトロ・サウンドが印象的なねごとの「シャングリラ」、橋本絵莉子(Vo / Gt)、福岡晃子(Ba / Cho)も参加したコントを交えたグループ魂の「恋愛スピリッツ」など、まさに“これが自分にとってのチャットモンチーだ!”という思いに溢れたカバーが並ぶ。天然のオルタナティブ感覚に貫かれたアンサンブル、独特の言語センスと繊細な感情表現に歌詞がひとつになった歌詞を軸にした彼女たちの音楽は、同時代のアーティスト(特に下の世代のバンド)に大きな影響を与えた。その根底にあるのは“好きなようにやっていい”という当たり前の態度だったのだと思う。

【第1弾】V.A『CHATMONCHY Tribute ~My CHATMONCY~』 ダイジェスト

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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