Do As Infinity×澤野弘之が語る、最新作『ALIVE』で表現した“命”と“未来”

Do As×澤野弘之 特別対談

澤野「どんな曲でもDo As Infinityの色になる」

――また、今回「~ prologue ~」「~ epilogue ~」という2つのインスト曲がアルバムの冒頭とラストに収録されています。これはどんな風に出てきたアイディアだったのでしょう。

伴:これは私から提案しました。「澤野さんと一緒だからこそできることは何だろう?」と考えると、やっぱり劇伴の要素だと思ったので。私自身も劇伴はすごく好きですし、Do As Infinityは今までそういうアルバムを作ったことがなかったので、今回新しい要素として興味がありやってみたいな、と思ったんですよ。

澤野:「~ prologue ~」は2曲目の「Alive」に繋がるという流れが先に決まっていたので、その繋がりを意識して作りました。一方で「~ epilogue ~」は、「~ prologue ~」をシンセを使ったサウンドにしたこともあって、より生の要素を前面に出して、大渡さんをはじめとするミュージシャンの方々のその場のアイデアを生かしたい、と思っていましたね。

大渡:この曲は4曲録りの最後にレコーディングした曲でした。だから、取り掛かる時点で、すでに脳が疲労した状態になっていたんですよ。それでもう、「エイッ!」という感覚で弾いたものが使われています。

――大渡さんのかなり本能的なプレイが収められている、と。

大渡:それもあって、音色的にも「ファズで汚す」という遊びを加えました。澤野さんの楽曲は洗練されたイメージがあるので、そこにジミ・ヘンドリックスやFunkadelicにも通じる要素を加えたら面白いんじゃないかと思ったんですよ。

――先ほど「澤野さんならではの映画の劇伴のような魅力も加えたかった」と話していただきましたが、そもそも今回の一連のタッグの第一弾となった「Alive」は、先に用意したプロットをもとに音楽を作っていくという、新しい方法でできた楽曲だったそうですね。

大渡:『Alive/Iron Hornet』はそういうアイデアではじまったものでした。アルバムは最終的に、そこだけには縛られ過ぎないものになったかなとも思うんですけどね。

――そのプロットというのは、どんな内容のものだったんでしょう?

伴:結局は「自分の未来は自分で選択しよう」ということですね。今をどう生きるかで、その未来は変わるわけですから。それに個人的にも、ここ数年は「生きる」ということや「命」といったテーマが、頭の中でずっとぐるぐるしているような数年間でした。

――伴さんの場合、お子さんが生まれたことも大きかったのかもしれません。

伴:大きかったと思います。それに、昨年はDo As Infinityとしても南米ツアーを筆頭に色々な経験をさせてもらって、「生きててよかった」と実感することや刺激がたくさんあったんですよ。だから本当に、『ALIVE』というアルバムタイトルはこの作品に相応しいなぁ、と。

――アルバムを完成させた今、今回のコラボレーションはみなさんにとってどんな経験になったと思っていますか? また、今回のアルバムはどんな作品になったと感じますか?

澤野:僕にとっては、すごく新鮮に感じる瞬間がたくさんある経験になりました。それに、繰り返しになってしまいますけど、やっぱりお2人が歌ったりギターを弾いたりすると、「どんな曲でもDo As Infinityの色になる」ということをすごく感じましたね。

大渡:今回の『ALIVE』は、僕らのアルバムの中でも一番洋楽っぽい作品になったと思っているんです。もちろん、これまでも作家さんにオーダーをしたり、洋楽的な要素が感じられる楽曲を選んだりしてきましたけど、今回はよりその雰囲気が強まったというか。それはやっぱり、澤野さんならではだったのかな、と。

伴:今回は曲のもとになるプロットが音楽よりも先にあって、そこから「Alive」という楽曲が出来て。でも同時に、アルバムには言いたかったこともしっかりと入れることができたので、そういう意味では、リアルとファンタジーが一緒になっているような感覚もある作品なのかもしれないです。その上で、新しいチャレンジができて、今の自分たちを表現することもできて、全体的に平均温度の高いアルバムになりました。

大渡:コラボレーションがはじまって、曲に手応えを感じて、またお願いして、「よかった、また引き受けてくれた」ということの繰り返しで。そのやりとりの中で伴ちゃんもポジティブになってきて、そこから新しいアイデアがどんどん出てくるようになって。たとえるならまるで川の水が大海に流れていくような、その中でどんどん前に(船の)帆が進んでいくような、そんなイメージだったと思います。いいソングライターと知り合えて、いい音楽が作れて、「ああ、いい一年間だったな」という気持ちですね。

――そうした期間の集大成が、今回のアルバム『ALIVE』なのですね。

伴:澤野さんにとっては新しいチャレンジになったかもしれないですし、私たち自身も、このアルバムにすごく満足しています。死ぬまで音楽をやっていくという意味では、その自信に繋がるような作品にもなったような気がしています。

――この相性のよさでいうと、またコラボレーションがあるかもしれないですね?

大渡:ねえ(笑)。それは僕らも期待していますし、またリクエストさせてもらえたら嬉しいと思っています。(澤野さんに)いいアルバムを本当にありがとうございました!

澤野:いえいえ!

伴:いえ、これは本当にそうですよ! 私たちにとってもすごく楽しい期間になりました。

(取材・文=杉山仁)

Do As Infinity『ALIVE』

■リリース情報
『ALIVE』
発売日:2018年2月28日(水)
価格:CD+Blu-ray¥5,500+税
CD+DVD ¥5,000+税
CDのみ ¥2,750+税

<CD収録内容>
01. ~ prologue ~
02. Alive
03. GET OVER IT
04. 火の鳥
05. To Know You
※Do As Infinity×TOKYO ART CITY by NAKED 映像コラボレーション
06. Iron Hornet
07. Silver Moon
※テレビアニメ「十二大戦」挿入歌
08. 化身の獣
※テレビアニメ「十二大戦」エンディングテーマ
09. 唯一の真実
10. ~ epilogue ~

<DVD/Blu-ray収録内容>
Do As Infinity 18th Anniversary ~Dive At It Limited Live 2017~(2017.09.29 マイナビBLITZ赤坂)
Alive / 冒険者たち / Desire / Week! / ROBOT / 楽園 / 陽のあたる坂道 / 誓い / TAO / 轍 -WADACHI- / 真実の詩 / 深い森 / Iron Hornet / To Know You / 唯一の真実 / Hand in Hand / 遠くまで / D/N/A / アリアドネの糸 / 君がいない未来 / 本日ハ晴天ナリ / 柊 / SUMMER DAYS
特典映像:Do As Infinity「Latin America Tour 2017」Documentary Movie

■公演情報
「Do As Infinity LIVE TOUR 2018 -ALIVE-」
5月19日(土)名古屋ダイヤモンドホール(全席指定)
5月20日(日)東京国際フォーラム ホールC(全席指定)
5月26日(土)大阪エルシアター(全席指定)
6月3日(日)熊本 B.9 V1(スタンディング)
7月7日(土)横浜ランドマークホール(全席指定)

<チケット料金>
愛知・東京・大阪・神奈川
全席指定:¥7,500(税込)

熊本
オールスタンディング:¥6,800(税込)

<注意事項>
※愛知公演・熊本公演のみ、入場時ドリンク代別途必要。
※3歳以上有料/3歳未満は膝上鑑賞のみ無料。ただし、お席が必要な場合は有料。
※スタンディング公演は、整理番号順の入場です。
※開場/開演時間は変更になる可能性があります。

■関連リンク
Do As Infinity オフィシャルサイト
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Do As Infinity LINE:LINE ID「@doasinfinity929」で検索
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