V6 岡田准一、嵐 二宮和也……ジャニーズが輩出する「日本アカデミー賞」に輝く屈指の俳優たち

 V6の岡田准一が映画『関ヶ原』で「第41回日本アカデミー賞」優秀主演男優賞を受賞した。

 今やアカデミー賞常連となった岡田。そして彼の背中を追うように、嵐の二宮和也が、「第39回日本アカデミー賞」で最優秀主演男優賞を受賞したことも記憶に新しい。また、かつてシブがき隊として人気を集めた本木雅弘も映画界を牽引する1人となっている。なぜジャニーズアイドルとしてデビューした彼らが、日本屈指の俳優となったのだろうか。

役を生きる、岡田准一

 「役作りには人一倍時間をかけ、役としての自分を愛してもらえるように心がけてきた」岡田の役者魂の根本には、アイドルという色眼鏡で見られることへの反骨精神がある。岡田はもともとジャニーズJr.としての下積みをほとんど経ずに、V6としてデビューした。何か自分の武器があるというわけではない、という迷いの中で、ある先輩の「俺はバラエティーに命かけてるから」というひとことでハッとしたと話している(2016年12月8日放送『櫻井・有吉THE夜会』TBS系)。それは、中居正広だった。SMAPのリーダーでありながら、MCのジャンルを開拓していった中居を見て演技という仕事に向き合うようになったと、語っている。そこから、Mr.ストイックと呼ばれるほど、役にのめり込んでいく岡田の演技スタイルが創られていったのだ。『関ヶ原』の公開に合わせて受けたインタビューでは、演じた石田三成のお墓参りをしたというエピソードも語られる(参照:エンタメステーション)。岡田の役作りは、まず岡田自身が役柄に対する愛情を深く注ぐところから始まる。そして、クランクインに向けて同化していく。時代劇や過去の実在する人物を演じるのが得意なのは人を理解し、生き様をそのまま取り込めるからではないか。『海賊とよばれた男』で共演した吉岡秀隆が岡田のことを「神聖な人に見える瞬間があった。突然いなくなっちゃうんじゃないかと思うぐらい」(参照:シネマトゥデイ)と称賛したのも、憑依型の俳優だからだろう。

役に染まる、二宮和也

 「そもそも考える頭を持っていないので、自分の芝居がどうこうということを考えてもしょうがない」徹底して役にのめり込んでいく岡田とは対象的に、「自分が演じる役に興味がないんですよ」と言い切る二宮。全体のストーリーも事前に読み込むことはせず、リハーサルのときにザッと確認する程度。さらに、台本も自分以外のセリフはほとんど目を通さないという。だが、二宮はNGを出さないことでも有名だ。『母と暮せば』で共演した吉永小百合は、「和也さんは現場で練習している姿は一切見ない。なのに一度も間違えずにできてしまう。こんな役者見たことない」と驚いていたという。演じるキャラクターは、自分が決めるものではないとする二宮のスタンス。だが、『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』で二宮とタッグを組んだ滝田洋二郎監督は、何も言わずともカメラの前に佇んだ瞬間、二宮はその役柄になっていたと話す。「何か一つに決めないようにしているのかもしれない。どうにでもなるように」(参照:シネマトゥデイ)。彼の役作りは、何にでも染まるように常に無色透明でいることなのだろう。何かに固執したり、自分自身でコレだと決めつけないことで、監督や共演者の反応をすぐに吸収し、処理することができる余白を常に持ち合わせているのだ。

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