Apple HomePodは“349ドル”の価値があるのか? スペックや海外の反応から検証
海外での反応は?
今回HomePodが販売されるのはアメリカ、イギリス、オーストラリアの3カ国だけ。日本での発売は今のところ予定されていない。先行して体験した海外メディアの反応は各社様々だが、共通して言及しているのはやはり音質の良さ。壁の反射を利用して音を響かせる技術は1台のスピーカーで立体感のあるステレオサウンドを生み出し、オーディオメーカー各社が出す同価格帯の製品よりも優れていると評価されている。
ただ、互換性やサードパーティ製品の乏しさは大きな欠点となっており、音楽ストリーミングサービスの雄・Spotifyに対応していないのは、Apple得意の囲い込み戦法が裏目に出た結果となっている。
349ドルの価値はあるか?
349ドル、日本円にして約38,000円。現行のスマートスピーカーの価格設定と比べても、群を抜いて強気な姿勢が窺えるHomePod。ハイスペックなワイヤレススピーカーと比べてみても、Boseの最新ワイヤレススピーカー・SoundLink®より1万円ほど高額な設定になっていることから、Appleの「最高に賢く、最高の音楽体験を生み出すプロダクトを作りましたよ」という強い自信が伝わってくる。
ただ、前述した通り、現状はSiriを搭載した音質のいいワイヤレススピーカーに過ぎない。これまで新たな未来を作るような、実際に暮らしをガラッと変えてしまうプロダクトを作り、時代を牽引してきたAppleにしてはあまりにも無難だ。AppleファンがApple製品を目の前にした時の脳波と宗教にハマっている人の脳波が同じ、というデータがあるらしいが、349ドルの製品をスペックと利用シーンの想定もなく飛びついて購入するのはまさに“信者”、もしくはガジェットフリーク、それかApple製品をいち早くライフルで撃ち抜いて脆弱性の検証をする奇特なアカウントくらいだろう。
一つ安心できるのは、現状、日本での発売の予定がないことかもしれない。海外でのレビューが出切った後に、冷静な状態でプロダクトの良し悪しを見極めていくことができるからだ。そして、その頃にはきっといつものように、どこかのメディアから「HomePod 2」の噂がリークされているはずだ。
■げんきくん
お笑いコンビ「ジャムパン」で斧を担当。小さい船のフィギュアを集めるのが好きで、集めたフィギュアはある程度まとめてから全て燃やしている。
Twitter:@genkl_kun