乃木坂46 寺田蘭世と樋口日奈が考える、アンダーメンバーの過去と現在

乃木坂46寺田&樋口語る“アンダーの現在”

 乃木坂46のアンダーメンバー楽曲を網羅したアルバム『僕だけの君~Under Super Best~』が1月10日にリリースされた。デビューから現在まで、6年間にわたる乃木坂46アンダーの進化が収録された本作は、乃木坂46史上、最もロングスパンで彼女たちの足跡を振り返るアルバムともなっている。

 今回、これまでのシングル収録のアンダー楽曲でセンターを経験し、同アルバムの新録曲でもセンターを務める二人のメンバー、寺田蘭世と樋口日奈にインタビューを行った。このアルバムを語ることは、乃木坂46アンダーという独特の立場について掘り下げることでもある。過去から現在地、そして彼女たちのこの先について話を聞いた。(香月孝史)

「心の支えになれるようなアイドルでいられたら」(樋口)

――アンダー楽曲をコンプリートしたアルバム『僕だけの君~Under Super Best~』がリリースされました。こういった作品を出すと聞いたとき、2人はどう思いましたか?

寺田:アンダーメンバーにも関わらずアルバムをリリースさせて頂いたことは、とんでもなくすごいことなんだろうなっていうのは、自分たちでも実感はしてますね。

樋口:昨年末の『アンダーライブ全国ツアー~近畿・四国シリーズ~』でも、シングル表題曲は一曲もやらなかったんですよ。それでも十分できるくらい、乃木坂46の曲ってどれも満足感があるので、こうしてアルバムにしてもらえたのは嬉しいです。

寺田:うん、いい楽曲に恵まれてるので、むしろ今までがもったいなかったのかもしれない。今回こうやってアルバムになったので、お店などでも曲をかけてもらいやすくなるだろうし、いいことづくしだなと思います。

寺田蘭世(左)と樋口日奈(右)。

――樋口さんはこのアルバムを締めくくる新曲「誰よりそばにいたい」でセンターを務めています。この曲について聞かせてください。

樋口:タイトルも歌詞もストレートな歌で、素直に素敵だなと思いました。個人的には、ファンの方に向けて歌いたい一曲というか、いままでずっと応援してくださってる方にも、最近好きになってくれた方にも、これからもずっとそばに寄り添っていられる、心の支えになれるようなアイドルでいられたらいいなと思っているので、そういう気持ちを素直に伝えられる曲だなと思います。聴いてくださるファンの方にも、私たちに向けてそういうふうに思ってもらえたら嬉しい一曲ですね。全然、アイドルを好きじゃない方にも聴いてもらえるんじゃないかなという素敵な曲をいただけたので、嬉しかったです。

――寺田さんも新曲「その女(ひと)」でセンターを務めました。以前の寺田さんのセンター楽曲「ブランコ」ともかなり曲調が違いますが、この曲はどんな印象ですか?

寺田:台詞から始まる曲ですし、初めて聴いた時は今までの乃木坂にはない曲調や歌詞だなという印象でした。アンダーアルバムという試みだからこそできた楽曲なのかな、と私は思いましたね。けっこう自分の好みの曲調でもあって、アンダーライブの「近畿・四国シリーズ」で初披露したんですけど、ライブで踊っていてもすごく楽しかったです。

――ここしばらくのアンダー楽曲のイメージとも全然違う感じですよね。

寺田:そうですね、「ブランコ」や「風船は生きている」もラップ調の部分はあったんですけど、「その女」はラップというよりも詩を読むような感覚ですね。レコーディングの時も「歌って」というよりは「読んで」という感じだったので。歌詞カードを見ていただくとわかるんですけど、その部分の歌詞にはカギカッコがついていて台詞のような扱いで、斬新な感じではありました。その真新しいタイプの曲でセンターをいただけたことには、すごく意味があると思います。

――このアルバムには鈴木絢音さんが初めてセンターを務める新曲「自惚れビーチ」も収録されています。鈴木さんの初センター曲、お二人の目にはどう映っていますか?

樋口:正直、絢音っぽくないなっていうのが初めの印象です(笑)。思いっきり夏っぽくて、ダンスも含めて明るい感じなのでびっくりしたんですけど。この曲をもらったのは、もっと明るい一面を出してもいいんだよっていうメッセージがあるんだと思う、と絢音本人が言っていたので、新しい絢音が見られるんじゃないかなと思うし、私たちも新しい絢音を見たなと思います。

寺田:たぶん、どういうイメージの曲なのかよりも、絢音ちゃんがそろそろセンターを経験するべきだということが優先的にあるのかなと思っていて。こうやって、一人一人のメンバーが新しいことを経験して成長していくのが、乃木坂全体にとっても大事なことだと思うし。今、前にいる人だけが良くても、乃木坂の今後の伸びしろはなくなっちゃうじゃないですか。初めてセンターを務める子や3期生も含めて、みんながちょっとずつ成長するのが今後の乃木坂につながるから。この大事なアルバムが出るタイミングで、そういうことができているのが素晴らしいなって思います。

樋口:冬に出すアルバムの新曲に、この夏の明るい感じっていうのもいいし、一年を通してこのアルバムを楽しんでもらいたいという意味も込められてるんだろうなと思います。

――『僕だけの君~Under Super Best』は、デビューシングル収録の「左胸の勇気」から19thシングル収録曲「My rule」、そして新録曲と、2012年から2018年までの発表曲が網羅されています。乃木坂46のアルバムの中でも、一タイトルでこれだけ時間的な幅が広い作品は初めてですよね。

樋口:たとえば、このメンバーは今選抜にいるけど、昔アンダーとして頑張っていたなって思い出せる楽曲もたくさんあるし、この頃に誰が卒業して……みたいなことも含めて、本当にイチから歴史を振り返ることができるアルバムですね。これから乃木坂を知る人にもわかりやすいと思うし、今までを知ってくれてる人にも懐かしんでもらえるし。

寺田:乃木坂にいる年数でいうと、ひなちまさん(樋口)と私との間は一年しか差はないんですけど、研究生から正規メンバーに昇格して、自分に乃木坂46のメンバーとして歌割りや立ち位置ができたのは、「別れ際、もっと好きになる」(12thシングル『太陽ノック』に収録)が初めてだったんです。このアルバムに入っている「初恋の人を今でも」(7thシングル『バレッタ』に収録)の時にはもう乃木坂には加入しているんですけど、曲ももらえていなかった時期もあったから。そう考えると、メンバーによって本当にそれぞれですよね。

――樋口さんは15thシングルのアンダー楽曲「シークレットグラフィティー」で初めてアンダーセンターを務められました。そこから一年後、最新の19thシングル収録の「My rule」で再びアンダーセンターになり昨年末のアンダーライブを迎えましたが、前年とは意識などに変化はありましたか?

樋口:もう、全然違いました。「シークレットグラフィティー」の時は、『アンダーライブ全国ツアー2016~中国シリーズ~』でセンターだったんですけど、その時は本当にいっぱいいっぱいだったし、緊張もすごかったし。センターのメンバーが任される任務の多さに戸惑ったし、気が張り詰めていたんです。でも、昨年末の『アンダーライブ全国ツアー2017~近畿・四国シリーズ』では、全然そういう緊張はなかったし、素直に楽しめたなっていうのが率直な感想で。

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