A.B.C-Z、舞祭組、ジャニーズWEST……伸び盛りなグループの楽曲は“コンセプト重視”に?
コンスタントに楽曲を発表し続けているジャニーズグループたち。どの楽曲もそれぞれのグループの個性が余すところなく表現されている。例えば、嵐の「Doors 〜勇気の軌跡〜」。櫻井翔主演のドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の主題歌でもあったこの曲は、爽やかな曲調とキャッチーなメロディが印象的だ。5人で声を揃えて歌うサビは、嵐らしさを感じる。このように各グループとも「らしさ」が感じ取れる曲を発表しているが、A.B.C-Z、舞祭組、ジャニーズWESTといったグループの楽曲では、インパクトの強いコンセプト重視の曲が増えているようだ。今回は、3組が最近発売した楽曲に注目してみたい。
A.B.C-Z
12月13日、約10カ月ぶりに新曲をリリースしたA.B.C-Z。初の両A面シングルとなった『終電を越えて〜Christmas Night / 忘年会!BOU!NEN!KAI!』は、クリスマスと忘年会という分かりやすいコンセプトの楽曲だ。まず、「終電を越えて〜Christmas Night」はベル系の音がたっぷり入った明るい曲調。これまでA.B.C-Zは得意なアクロバットやダンスが映える曲が多かった。しかし、同楽曲では激しいアクロバットやダンスは封印。A.B.C-Zにしてはおとなしめの振付だが、その分クリスマス感をたっぷり味わえる。一方「忘年会!BOU!NEN!KAI!」は、作詞作曲にヒャダインこと前山田健一を迎えたテンションが高い一曲。コミカル要素が強いMVでは、メンバーの塚田僚一による初の振付も見られる。『5 Performer-Z』に収録されている塚田のソロ曲「アツあつ!? 夏フェス☆!!」もヒャダインが作詞作曲を手掛けており、塚田とタッグを組むのは2回目。2人の異彩っぷりが相乗効果となり、癖の強い楽曲を生みだしている。明確なコンセプトのもと、キュンとくるクリスマスソングとコミカルな忘年会向きの曲という真逆の楽曲を歌いこなせるのは、酸いも甘いも噛み分けてきたA.B.C-Zだからこそだろう。
舞祭組
12月13日に発売となった舞祭組の1stアルバム『舞祭組の、わっ!』のコンセプトは、「わっ!と驚く」こと。メンバーは100日間の肉体改造に挑み、アルバムタイトルの通り「わっ!」と驚くような美しい肉体を披露。その肉体を活かして“ブサイクマッチョダンス”を披露している「BODY&SOUL〜全身全霊〜」は、リード曲的存在だ。視覚的な驚きの印象が強いが、収録されている楽曲全てにも驚きがあるように感じる。例えば、横尾渉がメインの「トロになりたい」。この曲には、1級マグロ解体師の資格を取得した横尾をフィーチャーするというテーマがある。演歌調の渋い曲なのだが、MVでは横尾が実際にマグロを解体してドヤ顔で決めていることもあり、思わずクスリと笑ってしまう。4人が幅広い曲調を歌いこなしているという驚き、こんなにもエンターテインメント性のあるアルバムが生まれたという驚き、“おふざけモード”でもこんなにかっこよく見えるという驚き……色々な驚きが詰まっている『舞祭組の、わっ!』は、まさにコンセプチュアルな作品と言えるのではないだろうか。