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『ひらがな全国ツアー 2017 FINAL!』レポート(その1)

けやき坂46のライブにある“フィジカル的”な魅力 2017年の集大成見せた全国ツアーファイナル

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 12月12日・13日、けやき坂46が、幕張イベントホールにて『ひらがな全国ツアー 2017 FINAL!』を行った。

 今年の3月15日のZepp Tokyoワンマン公演にて発表された、けやき坂46単独での全国ツアー。そこから大阪、名古屋、札幌、福岡と半年以上かけて全国のZepp会場を周り、今回の幕張にてツアーファイナルとなる。Zeppの収容人数はどこも3000人以下のため、”ライブ感”の強い公演をここまで披露してきた。もちろん、欅坂46による数万人規模のライブイベントや夏のアリーナツアー、大規模な夏フェスにも帯同していたため、大箱でのパフォーマンス自体は初めてではないにしろ、一つの公演を自分たちだけでやりきるという意味では、今回の幕張公演の舞台は彼女たちにとっては大きな挑戦だ。会場に花道はなく、今まで行ってきたZeppの会場をそのまま大きくしたような、”大きなライブハウス”といった雰囲気のもと公演はスタートした。

幕張で見せた”今年の集大成”

 今回の幕張公演を一言で表すなら”今年の集大成”といったところだろう。そしてそれが最もよく現れていたのが中盤で披露された「パフォーマンスメドレー」ではないだろうか。ステージには電飾がアーチ状に装飾され、カラフルに光ったり点滅したりする、まるで遊園地のパレードのような舞台のなかで、メンバーがさまざまな技を繰り出す。タップダンス、グラフィックポイ、マーチングなどそれぞれの公演で与えられてきた課題をここで一斉に披露し、観客を楽しませていた。また、各公演にて歌ってきたアメリカンポップスのカバーをそこに織り混ぜることで、けやき坂46独自のカラーを際立たせていたように思う。今回のツアーを通してやってきたことをこうして総ざらいすることで、彼女たちの成長をはっきりと確認できたこともファンにとっては嬉しいポイントだっただろう。

新たなけやき坂46の誕生

 「パフォーマンスメドレー」のファンタジーのような世界観が極地に達したところで、今年の夏に加入したばかりの2期生が一人ひとり自己紹介とともに特技を披露しながらステージに現れた。特に噛んだりすることも緊張している様子もなく、彼女たちは堂々としていた。そんな9人が合流すると、19人でのMCが始まる。2期生がお互いの他己紹介をする最中、1期生が慣れた手つきで笑いに変えたりするなど、けやき坂46独特の和やかな雰囲気があった。誰かがしゃべっている間も必ず他の誰かが相槌をするなど、不思議とすでにグループには一体感があったのも印象的であった。その空気感のまま「NO WAR in the future」を19人で披露。ステージには旗が立てられ、中央スクリーンには「We are HIRAGANAKEYAKI」の文字が映し出される。新たなけやき坂46の誕生を感じさせる演出に、ファンは大歓声を送っていた。

セットリストの妙

 けやき坂46は持ち曲が少ない分、欅坂46の曲をカバーしなければいけない。そこで注目されるのは欅坂46のどの曲を選ぶのかだ。その意味で、「語るなら未来を…」や「AM1:27」、「東京タワーはどこから見える?」といった、クール系の楽曲もあえて披露したのは無視できないポイントだろう。欅坂46との明確な色分けをするわけではなく、欅坂46が得意とするダンスを魅せるタイプの楽曲にも果敢に挑戦している。しかもそれが単なる”数合わせ”としてセットリストに組み込まれているわけではなく、しっかりと後続の曲への”助走”として機能させていたのは素晴らしかった。例えば、「東京タワーはどこから見える?」をしっかりと魅せたあと、「永遠の白線」へと繋ぐ。東京の夜景の映像が真っ白な世界へと急激に反転したことで、それが引き金となり、怒涛の終盤へと突入する推進力となっていた。ライブでは定番となっている「誰よりも高く跳べ!」では今年一番の盛り上がりを見せ、集大成としてふさわしい会場の一体感を作り上げていた。本編ラストの「太陽は見上げる人を選ばない」では、冒頭のMCで「(直前の骨折で欠席となってしまった柿崎芽実の分も合わせて)11人で立っている気持ちで応援してください!」と言っていた彼女たちを見守るように、メンバーカラーに彩られた11個のミラーボールがゆっくりと回っていた。

「ハッピーオーラ」に感じるけやき坂46の魅力

 彼女たちがよく口にするモットーに”ハッピーオーラ”という言葉がある。MCでも佐々木久美がそれについて触れ、「みなさんにハッピーオーラを届けたいという一心で活動しています」と語った。彼女たちのライブは非常にフィジカル的だと思う。欅坂46の凝った演出に対して、けやき坂46は歌そのもの、会話そのもの、もっと言えば、体そのもので勝負しているという印象がある。よりダイレクトに会場に届くライブを心掛けているイメージだ。だからこそ、彼女たちの放つハッピーオーラもしっかりと伝わるのだろう。「手を繋いで帰ろうか」やラストの「W-KEYAKIZAKAの詩」では、メンバー全員が観客の目と鼻の先までやって来た。ファンは自然と手を振り笑顔になっていた。そこに、けやき坂46の魅力があるように思う。

 最後に佐々木久美が「これからも20人のひらがなけやきをよろしくお願いします」と締めた。メンバーが増え、新しく生まれ変わったけやき坂46の今後の成長が、より一層楽しみになった一夜であった。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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