三浦大知、『めちゃイケ』出演に見る“国民的アーティスト”の資質 番組が伝えた実力と人柄に迫る
2つ目にあげたいのが、今回の番組で三浦大知のキャラクターが深く掘り下げられていたことである。「才能がありながら努力を惜しまない」「実力があるのに気取らない」、そんな人柄に触れた視聴者は、三浦大知という人物に対して好印象を持っただろう。また、ダイアン津田のギャグである「ゴイゴイスー」や荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー」(を歌ってスリッパで叩かれる一連の流れ)を喜々として披露する彼の姿は、「日本の宝」「最もグラミー賞に近い日本人」という最近よく聞く惹句(番組内でも紹介されていた)とはいい意味でギャップがあった。思い返せば、EXILEの回でも彼らの「強面だけど気さくでいい人たち」という側面がフォーカスされたことが、グループとしての好感度アップに大きく寄与していたはずである。また、時代を辿れば、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)のダウンタウンや『うたばん』(TBS系)の石橋貴明(とんねるず)といったお笑い芸人の存在が、多くの実力あるアーティストをお茶の間で広く知られる存在にまで育てた。その実力が認識され始めたタイミングで彼の愛すべきパーソナリティーにスポットライトが当たったことは、中長期的に見て非常に大きな意味を持ってくるはずである。
三浦大知の実力と人柄がわかりやすく、そして楽しくまとめられた今回の『めちゃイケ』によって、彼の存在はより広い場所で多くの人に一目置かれるようになるだろう。数年後、この番組が「真の国民的アーティストに成長するターニングポイントだった」と振り返られる日が来るのかもしれない。
■レジー
1981年生まれ。一般企業に勤める傍ら、2012年7月に音楽ブログ「レジーのブログ」を開設。アーティスト/作品単体の批評にとどまらない「日本におけるポップミュージックの受容構造」を俯瞰した考察が音楽ファンのみならず音楽ライター・ミュージシャンの間で話題に。2013年春にQUICK JAPANへパスピエ『フィーバー』のディスクレビューを寄稿、以降は外部媒体での発信も行っている。
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■番組情報
フジテレビ系全国ネット『めちゃ×2イケてるッ!』
10月28日(土)19:57〜20:54
※未公開シーンによる「岡村オファーシリーズ完全版」がオンエア
(C)フジテレビ