大森靖子、電波少女、日食なつこ、みゆはん…繊細なメンタリティを描き、ポップスに昇華した新作

みゆはん『リスキーシフト』

 “香川県出身のコミュ障シンガーソングライター”(公式プロフィールより)みゆはんの2ndミニアルバム『リスキーシフト』。勢いのあるバンドサウンドのなかで<届けてあたしは/音楽でしか言えない>とリスナーに向けて直接語りかける「メッセージ」、“完全でなくていい。ときどき休みながら、自分らしく生きていこう”とこれ以上ないほどまっすぐに歌い上げる「Never too late」、アコースティックギターを軸にしたサウンドのなかで“母と娘のコミュニケーション”をテーマにした歌が描かれる「蝶よ花よ」など、どの曲からも彼女本人の人となりが明確に伝わってくる。ふだんの彼女は本当にコミュニケーション下手なのかもしれないが、歌という表現を介することで、驚くほど率直に自らをさらけ出すことができる。“歌を作って歌わないと、誰とも交われない”という切実な状態こそが、みゆはんの音楽の説得力を担保しているのだと思う。

みゆはん「リスキーシフト」ダイジェスト映像

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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