音楽はAIとどう関わっていく? ジェイ・コウガミ氏がライブチケット販売やLANDRを例に考察

音楽はAIとどう関わっていく?

 最後にジェイ氏は、カナダに行った際、実際に足を運んだというマスタリングサービスのスタートアップ・LANDRのサービスを例に、AIと人が連携することで生まれる未来像についても語った。

「LANDRには従来より、もっと手軽にマスタリングできるような環境を作りたい、という思いがあります。そのため彼らはよく『エンジニアの仕事を奪うのか』と言われるそうですが、むしろ最終的なチューニングなど個性を出す部分には経験を積んだエンジニアやプロデューサーの手腕が必要になってくる。そうすると、AIとエンジニアが共存する新しい環境ができますよね。スウェーデンのPacemakerというDJアプリにはAIが曲をミックスする機能がありますが、これも同様でAIがDJのクリエイティビティやそれぞれの持ち味を引き出していくことになる。これからはAIとスペシャリストがどう連携していくかを考えていくことが大切だと思います」

 今後、エンターテインメント領域により深く関わっていくことが予想されるAI。音楽業界においてもライブビジネス、レコメンド、そして制作の過程にAIが関わることで音楽の新たな可能性を生み出し、アーティストやスタッフがより活躍できる場が増えることを期待したい。

(文=村上夏菜)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる