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UVERworldはなぜ高水準の映像を生み出し続けるのか? 本気の“挑戦”と“遊び心”に迫る

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 8月2日にリリースされたニューアルバム『TYCOON』に関連して、UVERworldは興味深い映像作品を次々に発表している。『TYCOON』はバンドにとって約3年ぶりに発表されたオリジナルアルバムで、全18曲で79分という過去最大ボリューム、その内容も非常にバラエティに富んだものだ。UVERworldは今作発表に際して、7月発売の先行シングル「DECIDED」と、アルバムからの新曲「SHOUT LOVE」のミュージックビデオを制作している。「DECIDED」はメンバーそれぞれの“決意”をイメージさせながら、スタイリッシュな映像でバンドの演奏シーンを見せていく、臨場感あふれる内容。純粋にUVERworldというバンドのカッコ良さが伝わってくる、見ごたえのある作品と言える。

UVERworld 『DECIDED』Short Ver.

 一方の「SHOUT LOVE」だが、こちらはつい先日公開されたばかり。サウンド面でもバンドの新境地を伝えるエレクトロ調アーバンポップテイストのロックナンバーなのだが、MVとしても新たな試みを見せている。まず、このMVはスマホでの視聴を想定した縦長映像で制作されており、その内容自体もTAKUYA∞(Vo)が女性とデートする様子が女性目線で収められている。バンドのストロングスタイルをアピールした「DECIDED」から一変、ソフトな曲調にあわせたプライベート感の強いドラマ調の作風はひとつの映像作品としても非常に興味深いものがある。

UVERworld 『SHOUT LOVE』

 ライブバンドとしてのイメージが強い彼らだが、実はこういった映像面での飽くなき探究心は以前から前面に打ち出されている。

 MVに関してだけでも、彼らは通常のスタイルとは一風変わった作品にトライし続けている。例えば「ナノ・セカンド」(2013年12月発売)ではMCを含めたライブシーンがそのまま使用されており、このバンドの強みである“言葉”と“生の躍動感”がダイレクトに伝わる仕上がりだ。同様に彼らは、「UVERworld Live at Avaco Studio」と題したスタジオライブ映像もYouTubeで公開しており、こういった作品からも彼らが何にこだわり続けているかを理解してもらえるだろう。

UVERworld 『UVERworld Live at Avaco Studio 2』

 また、2014年6月発売のシングル曲「7日目の決意」では、通常のMVに加え15分半におよぶショートフィルムバージョンMVも制作されている。このショートフィルムの監督・脚本を手がけたのは、2012年夏に全国公開されたUVERworld初のドキュメンタリー映画『UVERworld DOCUMENTARY THE SONG』も監督・編集を担当した中村哲平。「7日目の決意」の歌詞から派生したこの映像を観ることで、よりこの曲に込められた思いが伝わってくるのではないだろうか。

UVERworld 『7日目の決意 vol.01』

 ショートフィルムといえば、映像企画『1秒先 向かう者と ただ訪れる者』も必見の作品だろう。本作の監督・脚本は先の中村哲平が手がけ、原案はTAKUYA∞が担当。現在放送中のNHK連続テレビ小説『ひよっこ』にも出演している佐久間由衣が主演を務め、昨年秋に公開された第1話ではUVERworldの「ALL ALONE」、つい先日公開された第2話では「ほんの少し」がフィーチャーされている。

 こういった見ごたえのある作品を次々に発表しながらも、遊び心を忘れないのがUVERworldというバンドの面白いところ。昨年8月には「DIS is TEKI」のMVも発表されており、こちらではTAKUYA∞と信人(Ba)のちょっとした言い合いから発展するディスり合いラップバトルを展開。カップリングでの“ちょっとしたお遊び”がMV制作にまで発展した“本格的なお遊び”からは、このバンドがいかに映像というものを大切にしているかが伺える。

UVERworld 『DIS is TEKI』

 先にも述べたように、UVERworldの楽曲を語る上で欠かせないのがTAKUYA∞による歌詞。言葉に対する思い、そして言葉が生み出す強さを信じているからこそ、TAKUYA∞は自身の思いを時にストレートに、時にさまざまな比喩を交えて表現する。そしてそれがリスナーの心にまっすぐ届き、共感を得ることでライブの一体感が生まれているのではないだろうか。

 そうしたとき、彼らの楽曲において映像とは何を意味するのだろうか。例えばそれは、時に言葉の持つ意味をより具体化するための表現として使われ、時には「こういう解釈もある」という新たな提案でもあり、時にはひとつの歌詞から派生した新たなストーリーを生み出すことにもなる。アーティストによってはこういった冒険が本来楽曲の持つ意味をぼかしてしまう恐れもあるが、UVERworldは自分たちの作品、音楽、言葉に絶対的な自信を持っているからこそ、こういった挑戦にも貪欲に臨めるのだと、筆者は解釈している。

『1秒先 向かう者と ただ訪れる者』-第一話- music by UVERworld「ALL ALONE」

 また、映像の多彩さは楽曲/サウンドの持つ鮮やかさ、力強さによってその時々で変化していく。特に最新アルバム『TYCOON』では過去の彼らの作品と比較しても、よりスケール感が大きくなり、言葉の強度もさらに高まっている。音楽的にも先に取り上げた「SHOUT LOVE」を筆頭に、ところどころに遊び心が感じられ、王者の風格というか余裕すら感じられる。ちなみにアルバムタイトルの“Tycoon”には実力者、大物、将軍などの意味があり、文字通りの内容だと断言できるはずだ。

 もしかしたらこの『TYCOON』収録曲を原案とした映像作品が、今後制作されるかもしれない。聴けば映像が浮かんでくるようなカラフルな楽曲が多いだけに、ぜひそちらにも期待したいところだ。

 そのUVERworldが8月31日放送のNHK『SONGS』に初登場する。同番組では男性ファン600人が参加した、UVERworldファンならお馴染みの「男祭り」がスタジオライブ形式で実現。今年2月にはさいたまスーパーアリーナで2万3000人の男性ファンを集めた「男祭り」も実現したばかりで、その一端をこの番組で楽しむことができそうだ。また番組では作詞を手がけるTAKUYA∞の、音楽にかける情熱に迫る別企画も進行中とのこと。こちらの詳細は後日、改めて発表されるそうなので、続報に期待しておきたい。

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■リリース情報
『TYCOON』
発売日:2017年8月2日(水)
価格:初回生産限定盤(CD+特典CD+スリーブケース+フォトブック付)¥3,700+税
通常盤(CDのみ)¥3,000+税
〈収録曲〉 
1. TYCOON
2. Q.E.D.
※『MIDNITEテレビシリーズ』(日本テレビ)エンディングテーマ
3. シリウス
4. SHOUT LOVE
5. IDEAL REALITY
6. LONE WOLF
7. DECIDED(Album ver.)
※映画『銀魂』主題歌
8. PRAYING RUN
9. ALL ALONE(Album ver.)
※オリジナル映像企画『1秒先 向かう者と ただ訪れる者-第一話-』テーマソング
10. 一滴の影響(Album ver.)
※アニメ『青の祓魔師 京都不浄王篇』(MBSほか)オープニング・テーマ
11. ほんの少し
※オリジナル映像企画『1秒先 向かう者と ただ訪れる者-第二話-』テーマソング
12. 僕の言葉ではない これは僕達の言葉(Album ver.)
※アニメ『アルスラーン戦記』(MBS/TBS系)オープニングテーマ
13.WE ARE GO(Album ver.)
※アニメ『パズドラクロス』(テレビ東京系)オープニングテーマ
14. Collide
※映画『新宿スワン』挿入歌
15. 奏全域
16. I LOVE THE WORLD
※オンラインRPGゲーム『ドラゴンネスト』テーマソング
17. エミュー
※映画『新宿スワン2』挿入歌
18. 終焉

【Disc-2】(初回生産限定盤のみ)
『UVERworld KING’S PARADE 2017 at Saitama Super Arena』
1.Collide
2.Fight For Liberty
3.一滴の影響
4.NO.1
5.PRAYING RUN
6.MONDO PIECE

『UVERworld PREMIUM LIVE on Xmas 2015 at Nippon Budokan』
7.CHANCE!04
8.I LOVE THE WORLD
9.IMPACT
10.O choir
11.在るべき形

■配信サイト
iTunes
レコチョク
mora

■ライブ情報
『UVERworld TYCOON TOUR』
2017年11月2日(木)・3日(金)神戸ワールド記念ホール
2017年11月11日(土)・12日(日)静岡エコパアリーナ
2017年11月22日(水)・23日(木)大阪城ホール
2017年12月5日(火)・6日(水)朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
2017年12月13日(水)・14日(木)日本ガイシホール
2017年12月16日(土)・17日(日)セキスイハイムスーパーアリーナ – グランディ・21
2017年12月20日(水)・21日(木)横浜アリーナ
※21日:TAKUYA∞生誕祭
2017年12月25日(月)日本武道館
※UVERworld Premium LIVE on Xmas 2017
2017年12月30日(土)・31日(日)マリンメッセ福岡

『UVERworld IDEAL REALITY TOUR』
2017年8月4日(金)シェルターなんようホール(南陽市文化会館)大ホール
2017年8月6日(日)いわき芸術文化交流館アリオス 大ホール
2017年8月8日(火)・9日(水)弘前市民会館
2017年8月14日(月)北見市民会館
2017年8月16日(水)旭川市民文化会館 大ホール
2017年8月23日(水)・24日(木)鳴門市文化会館
2017年8月26日(土)・27日(日)ひめぎんホール・メインホール
2017年8月29日(火)・30日(水)岡山市民会館
2017年9月1日(金)島根県民会館 大ホール
2017年9月3日(日)・4日(月)周南市文化会館
2017年9月6日(水)・7日(木)なら100年会館 大ホール
2017年9月12日(火)・13日(水)和歌山県民文化会館 大ホール
2017年9月19日(火)・20日(水)鹿児島市民文化ホール 第一ホール
2017年9月25日(月)ミュージックタウン音市場
※誠果生誕祭
2017年10月3日(火)・4日(水)日本武道館 

■関連リンク
UVERworld 公式サイト
UVERworldオフィシャルサイト・ファンクラブ
UVERworld LIVE TOUR 2017特設サイト
UVERworld スタッフTwitter
UVERworld『TYCOON』期間限定Instagramアカウント

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