シングル『たいようの哀悼歌』インタビュー
Flower“専任メンバー”重留真波・中島美央・藤井萩花に訊く、新体制移行後の変化と覚悟
「Flowerの活動をしていると『孤独って必要なんだ』と感じることが多い」(藤井)
ーーそんな<E.G.family>としての変化を受けてリリースされるシングル。表題曲の「たいようの哀悼歌」はアニメ『将国のアルタイル』(MBS/TBSほか)エンディングテーマで、中世のトルコが舞台だからということもあってか、Carlos K.さんによるオリエンタルなメロディと硬いビートが丁寧に絡む一曲です。楽曲を受け取った際の印象を聞かせてください。
藤井:Flowerはデビューからこれまで恋愛の楽曲が多かったんですけど、今回は人間が普段から感じる孤独や絶望といったテーマがあって、より多くの人に共感してもらえる曲になっています。孤独や絶望って、一見ネガティブに捉えられがちな言葉ですが、Flowerの活動をしていると「孤独って必要なんだ」と感じることが多いんです。グループで活動しているからこそ、そういう感情は持っていないといけないとか、だからこそこういう表現ができるとか、繋がるところがたくさんあるんだと思いますし、今回のようなテーマを表現できるのは、グループとして一歩進んだ感じがします。
重留:サウンド的にも壮大な曲に仕上がっていて、より自分の感情が溢れ出て、踊っていても自分の中にあるものが溢れ出てくる、気持ちいい楽曲です。冒頭にある(鷲尾)伶菜のフェイクも、一瞬で会場をひとつにするくらいの力があるんだと先日のライブで感じました。このメロディや曲調が今までと違った引き寄せ方をしていると思うし、パフォーマンスをしていて好きな楽曲の一つになりました。
中島:歌詞を見て言葉をなぞってみたときに、美しさが一気に目に飛び込んでくる楽曲です。振り付けも、今までのFlowerとはまた違ったもので、表に出すような動きで感情がわかるようなものにしていただきました。一人ひとりが合わせるというよりは、楽曲に向き合ってパフォーマンスを作っていったものなので、その部分が伝わると嬉しいです。
ーー歌詞には「砂漠」や「ヴェール」、「キャラバン」など、情景を思い浮かばせるキーワードが頻出しています。鷲尾さんは歌入れの際、小竹(正人)さんから歌詞とそのイメージを共有されているようですが、パフォーマーのみなさんについてはどうなのでしょうか。
藤井:パフォーマンスについては、しっかりと共有されるわけではなくて、私たち個々が歌詞の意味を読み解いているんです。でも、小竹さんはライブの時もパフォーマーのことをしっかり見てくださっていて、言葉で話し合わなくても、表現で通じ合っていると思います。
ーー小竹さんからも各パフォーマーに当てて歌詞を書くことがあると伺っていたので、まさに歌詞を通して交流しているということですね。
中島:E-girlsを含めて密に関わらせていただいている作家さんで、私たちの心情をうまく汲み取って楽曲に散りばめてくださっているので、小竹さんの書いた曲は自然にすっと入ってくるんですよ。
藤井:ボーカルと違って、それぞれが小竹さんの書いた歌詞について感じたことに対して答え合わせがないからこそ、面白いものが生まれるとも思っています。私たちが考える「孤独」や「絶望」を感じ取りながら聴いて貰えたら嬉しいです。
重留:「孤独」や「絶望」って一人ひとり価値観の違うものだと思うので、今回の振り付けについては、形やタイミングこそ揃えたものの、表現の仕方などについてはあえて揃えていないんです。どんな気持ちで表現するかは個々にまかせるようにしていて、楽曲においてはそういう踊り方もアリなんだと気付きました。