うとまる×TeddyLoid、気鋭のイラストレーターとトラックメイカーが考える“音楽とアートの関係”

うとまる×TeddyLoidが考える「音楽とアートの関係」

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「近未来感を出すにあたって、サウンドもトレンドの先を見据えたものに」(TeddyLoid)

ーー確かにデビュー曲「EVE -革命前夜-」よりも抜けの良い音だと感じました。DEVIL NO IDに関しては、トラックプロデューサーとして携わっていて、今回の「Sweet Escape」でも作曲にはS-kit (GROUND-LINE)さんが入るなどしていますが、具体的にはどのように制作をしているのでしょうか。

TeddyLoid:「EVE -革命前夜-」は作編曲が僕で、作詞がY.O.G.さんとKLOOZさんでした。レコーディングに関しては、僕が沖縄へDJをしにいく機会があって、そのタイミングで行なったんです。「Sweet Escape」はデータでボーカルとメロディと歌詞をいただいて、そこからトラックを作っていきました。トータル・プロデュースなら、自分で曲を書き下ろしてイチから組み立てていくんですけど、先にメロディや歌詞があると、どうしてもそこからインスパイアされたものに仕上がります。今回だと「別れることは悪いことじゃない」という意味も入っているので、哀愁のあるギターを入れてみたり。

ーー「Sweet Escape」は、かなり和を意識したアプローチが目立ちます。

TeddyLoid:「EVE -革命前夜-」のときからその傾向はあったのですが、“日本発ガールズダンスクルー”というアイコンを活かしたサウンド作りをしようと思い、今回のような音になっています。ちょうど制作しているタイミングに、ダンスミュージック界では各国のクリエイターが自分の国の音色を取り入れるのがトレンドになっていたんですよ。KSHMRはインド系のアメリカ人なので、インド風の音を取り入れてみたり。あとロシアのアーティストも自国の民族楽器を使ってみたり。なので、僕も日本の楽器を入れてみようと。近未来感を出すにあたって、やはりサウンドもトレンドの先を見据えたものにしておきたいので。いずれは世界的なダンスミュージックのイベントやフェスに出て欲しいです。

うとまる:確かに和っぽいというのは言われるとハッとなりますね。親しみの持てる音というか、最初に聴いたときからノリノリになれるしノスタルジックな気持ちも湧いてきたりするというか。

ーー以前WWW Xでのライブも拝見したのですが、演出もサウンドもダンスも見事なものでした。ライブの空間自体にも展示などクリエイティブなものが並んでいましたね。DJとしても出演したTeddyLoidさんとしては、どういった手応えを感じましたか?

TeddyLoid:プロジェクションマッピングもすごく綺麗に使ったライブで、イラストの展示もあって、総合的にも楽しめました。僕もDJとして楽しく出演させていただきました。

ーーうとまるさんはそれを客席で観ていたそうですね。やはりライブを観るのと観ないのでは、作品に出る深みも違ったりしますか?

うとまる:ライブは晴れの舞台というか、一番輝く場だと思うので、見ることでもう一歩理解が進むという印象です。素の印象とは違う、舞台に立っているからこその格好よさや最新のアーティスト像をつかめますし。家で黙々と作業していて、たまには外に出て確かめないと自分の世界に入り込んでしまうので、ライブを見ることができるとその辺りがクリアになっていいですよね。あと、観ていて感じたことなんですけど、彼女たちってダンスをずっと見ていられるグループだと思うんです。純粋なパフォーマンスの良さというのも兼ね備えているグループでもあるので、音楽や映像などを通して知ってくれた人にも見て欲しいですね。

ーー最後に、今後の彼女たちについては、どのようなアーティストになっていくと思われますか?

TeddyLoid:無限大なんですよね。3人それぞれ歌やコーラスやラップを身につけてるけど、その全てがアップデートされていくというか。彼女たち自身もダンスなのか歌なのかビジュアルなのか、興味を持ってくる分野も出てくると思うので、僕らもそれを察知しながら後押しするような存在になれたらと思います。サウンド面では、mionさんによる幼い声でのラップが面白いなと感じていて。レコーディングを進めるにあたって声変わりもしてくるでしょうし、以前に録った声と混ぜてみたりサンプリングで使ってみたりとか、そういう実験的なこともしてみたいですよね。実際この段階でも録るたびに声も変わっていて、上手くもなっているので。

ーーアートワークではどんな部分を表現していきたいですか?

うとまる:いまはサイバーパンクっぽい世界観なんですけど、本人たちの成長していく感じに合わせてそこも徐々に変わっていくかもしれないですね。そこをどう変えるかはまだ決めていないのですが、しばらくはこの日本を舞台にしたフューチャーな感じをベースにしていこうかなとは思っています。ストリートっぽさもミックスしていって、他にないDEVIL NO ID的な近未来感を出していきたいですね。

TeddyLoid:うとまるさんの言った「成長に合わせて」というのはまさにそうですね。いまのアーティストやグループって、昔よりファンとの距離が近いんですよ。それはすなわち配信やライブなど、いろんな手段で日々の経過を伝えやすいということでもあって。DEVIL NO IDに関しては、本人たちもアートワークもファンの人たちも、当初よりどんどん変化して進化していくプロジェクトだと思います。だからこそ、彼女たちもフレッシュでい続けられるように、その都度フィットする曲やサウンドを提供していきたいですね。

(取材・文=中村拓海/撮影=三橋優美子)

■リリース情報
2nd Single『Sweet Escape』
発売:4月5日(水)
価格:¥1,000+税
<収録内容>
1.Sweet Escape
2.fashionista
3.Sweet Escape -Instrumental-
4.fashionista -Instrumental-
※初回生産分には完全オリジナルマンガ「DEVIL NO ID」第2話をブックレットに収録
マンガ「DNI(DEAD NIPPON ISLAND)」第1話はこちら

■ライブ情報
『「Sweet Escape」リリースパーティー』
場所:東京 下北沢SHELTER
日時:5月20日(土)
開場12:30/開演 13:00
チケット:前売り予約¥1,500(D別)当日¥2,000(D別)
(1)アーティストオフィシャル先行 3月2日(木)12:00〜3月9日(木)18:00 ぴあ特設URL
(2)プレイガイド一般発売
イープラス
ローソンチケット Lコード:77546
チケットぴあ

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