藤原さくら、シンガーソングライターとして迎えた転機 「“今の私”を提示し続けていくしかない」

藤原さくらが迎えた“転機”

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「『これが今の私です』と提示し続けていくしかない」

ーー音楽を続けるいちばんの理由は、やっぱり“好きだから”ですか?

藤原:それがないと続けられないと思います。ファンのみなさんのことも考えるし、「どんな曲が好かれるんだろう?」という意識も持ってますけど、根本にあるのは「音楽が好き」ということなので。まずは自分が楽しいと感じること、好きだなと思うことをやって、それを聴いてくれた人が「いいな」と受け取ってくれるのがいちばんいいですね。音楽は楽しいものだと思うので。

ーー「PLAY」という言葉には“遊ぶ”とか“楽しい”というニュアンスもありますからね。音楽活動のなかで、いちばん楽しいと感じるのはやっぱりライブですか?

藤原:もちろんライブも楽しいし、リリースイベントでファンの方とお話するのも楽しいし、ラジオで自分が好きな曲をかけるのも楽しいです。高校生の女の子から「ラジオでかけていた洋楽の曲が気になって、CDを借りてみました」というメールをもらったりすると、すごく嬉しいんですよ。まだ出会ってないだけで、「いいな」と思う音楽はいっぱいあると思うので。

ーー音楽を聴くことも楽しめてますか? プロになると、職業的な耳で聴いてしまうこともあると思うのですが。

藤原:まだ大丈夫ですね(笑)。新譜もけっこう聴いてますよ。ラジオのディレクターの方に「これも好きだと思うよ」と教えてもらったり、バンドメンバーとも「○○が良かった」みたいは話をしているので。ライブも行ってますね。この前もノラ・ジョーンズを観に行ったし、あとはnever young beachとか。ネバヤンは初めてだったんですけど、めちゃくちゃカッコ良かったですね。

ーー刺激を受けることも多そうですね。

藤原:はい。歌詞に注目して曲を聴くことも増えたんですよ。もともとはメロディだったり、音楽を全体的に捉えて聴くのが好きなんですけど、日本語の歌詞を書くようになってから、「いい歌詞っていっぱいあるんだな」って改めて気付くようになって。そこも変わってきたところですね。それも仕事という感じではないんですよ。もともと好きなことをやってるわけだし、区切りが曖昧なんですよね。たとえば日曜日にライブがあるときも「休みがない」とは思わないし(笑)。ずっとこういう生活を続けたいですね。

ーー『PLAY』にも、藤原さんのルーツであるカントリー、ブルースのテイストは強く反映されていて。今のJ-POPのなかで際立って個性を発揮していると思うのですが、「自分のポジションが確立されつつある」という手応えもありますか?

藤原:いや、まだまだ模索の日々ですね。何が正解かもわからないし、どんどん変化していくじゃないですか。私自身もそうだし、流行っているものもそうだし。今はいろんな音楽、いろんなジャンルがあって、それぞれが好きなものを選んでる時代だと思うんですよ。今、絶頂だったとしても、その先になにがあるかわからないし、逆に今は注目されてなくても、何かのきっかけでたくさんの人に聴かれるようになるかもしれない。それは怖いところでもあり、おもしろいところでもあると思うんですよね。「はんぶんこ」の最初で〈ゴールはどこ?〉って歌ってるように、私がこれからどうなるかはわからないですね。やりたいこともその都度変わるだろうし、「これが今の私です」と提示し続けていくしかないかなと。

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ーーなるほど。

藤原:もちろん、やれることはたくさんあるし、ひとつひとつ成長していかないといけないんですけどね。たとえば歌詞のことで言えば、もっともっといろんな体験をする必要があるだろうし。興味があることは、とりあえずやってみるようにしてるんです。簡単なことで言えば、映画を観たり、本を読むのもそう。自分の体験は限られているけど、本を読むことで、ハワイで暮らす人たちの生活を知ることもできるし。『ポンキッキーズ』もそうですよね(藤原は4月からBSフジ『ポンキッキーズ』にレギュラー出演中)。曲もずっと書いてるんですよ。アルバムの制作が終わったばかりなんですけど、楽しいと感じてるうちに出来るだけ書いておこうかなって。

ーー5月から7月にかけて全国ワンマンツアーが開催されます。今回はホールツアーですね。

藤原:今はセットリストを固めているところです。前のツアーとは違う雰囲気にしたくて、新しいことにも挑戦する予定です。それは観てからのお楽しみということで(笑)。

(取材・文=森朋之/撮影=外林健太)

■リリース情報
『PLAY』
発売:2017年5月10日(水)
初回限定盤 (CD+DVD) ¥3,500+税 ※デジパック仕様
通常盤 (CD) ¥2,800+税
〈収録曲〉
01. My Way
02. Someday  BSフジ「ポンキッキーズ」エンデイングテーマ
03. 春の歌 映画『3月のライオン』後編主題歌
04. play with me
05. 赤
06. 好きよ 好きよ 好きよ フジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」劇中歌
07. sakura
08. Necklace
09. Soup フジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」主題歌
10. play sick
11. SPECIAL DAY
12. はんぶんこ
〈DVD〉 ※初回限定盤のみ付属
『Someday』(Music Video)に加え、今年2月にオーチャードホールで開催された「Special Live 2017」のライブ映像を8曲収録
・Someday (Music Video)

藤原さくら Special Live 2017
- Live at Bunkamura Orchard Hall 20170218 –
・Soup
・Walking on the clouds
・MC - Soup (reprise)
・500マイル
・1995
・Necklace
・Someday
・「かわいい」
・春の歌

■ライブ情報
『藤原さくらワンマンツアー2017「PLAY」』
5月27日(土) 埼玉 戸田市文化会館
6月10日(土) 広島 上野学園ホール
6月16日(金) 新潟 新潟市音楽文化会館
6月18日(日) 宮城 仙台市民会館大ホール
6月25日(日) 福岡 福岡市民会館
6月29日(木) 北海道 道新ホール
7月1日(土) 愛知 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
7月9日(日) 大阪 オリックス劇場
7月17日(月祝) 香川 サンポートホール高松
7月21日(金) 東京 中野サンプラザ
7月22日(土) 東京 中野サンプラザ

オフィシャルサイト

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