Brothertiger、Gorillaz、Little Dragon……高橋芳朗が選ぶ、80sテイストの新譜5枚

 7月に来日が決定したソンドレ・ラルケのニュー・アルバム『Pleasure』にも80年代のニューウェイブ/シンセポップ調の曲がちらほら。Prefab Sprout「Appetite」の一節が飛び出す「Hello Stranger」、New EditionとScritti PolittiとPet Shop Boysを掛け合わせたような「I'm Always Watching You」のほか、なんといってもオープニングを飾る「Soft Feelings」での衒いのないNew Order「Bizarre Love Triangle」ぶりが痛快。いずれこの方向性でアルバム一枚、とリクエストしたくなる完成度の高さです。

 しばしば2017年の注目新人としてピックアップされるトロントの女性シンガー・ソングライター、ラルフの6曲入りデビューEP『Ralph』。まもなくリリース予定のラナ・デル・レイのニュー・アルバム『Lust For Life』への参加が明らかになるなど、再評価著しいスティーヴィー・ニックスを崇拝しているようですが、どちらかというと(同様に彼女の影響を自認している)Haimのデビュー・アルバム『Days Are Gone』、そしてカーリー・レイ・ジェプセンの最新作『Emotion』など、ここ数年のアイコニックな80sインスパイア盤の流れを汲む作品かと。白眉は<Kitsuné>の『Hot Stream』にも選ばれた「Cold To The Touch」になると思いますが、基本的に全曲良いです。

■高橋芳朗
1969年生まれ。東京都港区出身。ヒップホップ誌『blast』の編集を経て、2002年からフリーの音楽ジャーナリストに。Eminem、JAY-Z、カニエ・ウェスト、Beastie Boysらのオフィシャル取材の傍ら、マイケル・ジャクソンや星野源などライナーノーツも多数執筆。共著に『ブラスト公論 誰もが豪邸に住みたがってるわけじゃない』や 『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』など。2011年からは活動の場をラジオに広げ、『高橋芳朗 HAPPY SAD』『高橋芳朗 星影JUKEBOX』『ザ・トップ5』(すべてTBSラジオ)などでパーソナリティーを担当。現在はTBSラジオの昼ワイド『ジェーン・スー 生活は踊る』の選曲も手掛けている。

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「新譜キュレーション」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる