映画『美女と野獣』の音楽が時を超えて伝えるもの エマ・ワトソンらが彩る作品の世界観
そして主題歌の「美女と野獣」は、同作では3バージョンの歌唱を楽しむことができる。物語の名シーンであるボールルームで同曲を歌唱するのは、ポット夫人を演じた女優エマ・トンプソン。クラシックの音楽に合わせて、2人の姿を見守るように優しく朗らかな声でじっくり歌い上げている。また、エンドロールでは、アリアナ・グランデと『ラ・ラ・ランド』にミュージシャン役で出演していたジョン・レジェンドが初デュエット。そしてもう一つが、物語の最大のクライマックスで、タンスの姿に変えられたオペラ歌手マダム・ド・ガルドローブ役のオードラ・マクドナルドをメインにエマ・トンプソンらがセッションで披露するバージョンだ。
同曲では、アニメ版ではカットされた歌詞が歌われている。そこに込められたのは、ベルと野獣が次第に惹かれあっていく情景と、<いつの世も ずっと変わらず 確かなこと>という言葉だ。『美女と野獣』はフランスに古くから存在する同名の説話がモチーフとされており、その物語が100年以上も語り継がれ、作品に込められたメッセージがいつまでも色褪せないことを歌っている。また、実写版で新たに追加された「時は永遠に」も“時の流れ”を軸に歌った曲。劇中の様々な場面で歌唱されるほか、エンドロールではアニメ版の主題歌「美女と野獣」を歌唱したセリーヌ・ディオンが、20年以上の時を超えて再び歌唱を担当した。
18世紀に誕生した物語をディズニーアニメーションとして甦らせた『美女と野獣』。その物語が、2017年に実写版として再びスクリーンに戻ってきた。新たなキャストや素晴らしい音楽によって彩られた本作も、末長く愛され続ける作品となることだろう。
(文=大和田茉椰)
■公開情報
『美女と野獣』
全国公開中
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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