映画『美女と野獣』の音楽が時を超えて伝えるもの エマ・ワトソンらが彩る作品の世界観
映画『美女と野獣』が公開され、物語の世界観を彩る音楽が今、注目を集めている。
1991年に公開されたディズニーアニメーションの『美女と野獣』では3曲がアカデミー賞にノミネート、セリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンが歌った主題歌・テーマ曲「美女と野獣」がアカデミー賞作曲賞と主題歌賞に輝き、大きな話題を呼んだ。実写化された本作でも「美女と野獣」をはじめアニメーション版に登場した全楽曲が新たなキャストたちによって歌われており、全米で3月10日にリリースされたサウンドトラックは15カ国のiTunesで1位にランクインしている。本稿では、いよいよ日本でも4月21日に公開された『美女と野獣』の音楽の新たな魅力について紹介していきたい。
映画が始まり、ベルが登場して街の様子が繰り広げられるシーンで展開されているのがアニメ版でもお馴染みの楽曲「朝の風景」。ベルを演じるエマ・ワトソンの透き通った第一声から始まり、<ボンジュール!>と元気に村の人の挨拶を交わしたあと、より弾けた曲調に合わせ街の人と歌の掛け合いが始まる。「朝の風景」を丘の上で歌うエマの声量ある美しい声は、聴く人の心を魅了する。その後の「愛の芽生え」や「時は永遠に」でも、エマはその時のベルの心情を繊細な歌声に強弱をつけて見事に表現している。
本作には、アニメ版にはないオリジナル曲が新たに3曲追加されている。作曲を担当したのは、アニメ版『美女と野獣』をはじめ、『リトル・マーメイド』、『アラジン』でアカデミー賞ノミネート暦のあるアラン・メンケン。彼が新たに加えた曲のなかでも涙を誘うと話題になっているのが、野獣を演じるダン・スティーヴンスがソロで歌う「ひそかな夢」という楽曲。野獣がベルを想う故に、ベルを城から解放して父のところへ向かわせるという切ない思いを込めた同曲は、実写版オリジナルの感動のシーンを作り上げている。