Suchmos、ぼくりり、パスピエ、SHE’S、港カヲル…自らのスタイルでムーブメントを生み出すか?

 Copeland、Maeなど、海外のピアノ・エモをルーツに持つ井上竜馬(Vo、Pf、Gt)を中心としたSHE’Sも、シーンの潮流に流されない、確固たる独創性を備えたバンドだ。シングル曲「Morning Glow」「Tonight」「Stars」を含む1stフルアルバム『プルーストと花束』にも、洋楽的なテイストを汎用性の高いポップチューンに導くソングライティング・センス、エモ、ハードロック、ギターポップなどをナチュラルに融合させたバンドサウンドを含め、このバンドのオリジナリティが的確に反映されている。一見、柔らかく、フェミニンな(?)イメージもある井上の(じつは)ダイナミックなボーカルもきわめて魅力的。その秘めたる情熱が放出された瞬間が、SHE’Sのブレイクポイントになりそうだ。

SHE’S「Freedom」

 最後は個人的にどうしても紹介したい港カヲル(グループ魂)のソロデビュー作『俺でいいのかい ~港カヲル、歌いすぎる~』。グループ魂の“永遠の46歳”港カヲル(皆川猿時)が2017年2月1日の誕生日に本物の46歳になることを記念して制作された本作には、破壊(阿部サダヲ)、暴動(宮藤官九郎)などのグループ魂のメンバーのほか、前山田健一、坂本慎太郎、ASA-CHANG、向井秀徳、私立恵比寿中学、神田沙也加、松尾スズキといった豪華ゲスト陣が参加。カヲルさんが気持ち良さそうに歌い上げる「HOWEVER」(GLAY)、「ランニング・ショット」(柴田恭兵)などのカバー曲、下ネタ満載のオリジナル曲を含め、「ひどい! 最高!」と盛り上がってしまう。メッセージとかコンセプトに逃げず、ただひたすら“おもしろ”だけを追求する宮藤官九郎、それに全身全霊のパフォーマンスで応えるカヲルさんのある意味ストイックな姿勢に心を打たれるのだった。

情熱皆川大陸 特別篇 ~アルバムダイジェスト~

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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