ストレイテナー、洗練された音楽と飾らない姿で魅了した夜 人見記念講堂ツアーファイナル公演レポ

ストレイテナー人見記念講堂公演レポ

 東京・昭和女子大学人見記念講堂で11月10日、ストレイテナーのワンマンツアー『Step Into My World TOUR』ファイナル公演が行なわれた。

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ホリエアツシ(Vo/Gt/Key)

 このツアーは、ストレイテナーが今年5月に発売した9thアルバム『COLD DISC』を携えて、全国26公演を回っていたもの。前作に比べ、「日本のバンドとして邦楽を鳴らすという意識」を持って作られたという同作は、これまでの彼らの作品と比較しても邦楽色をより強めた内容であり、これまで以上にそれぞれのメンバーが歌の存在感を強めることを意識し、アレンジを加えたサウンドで構成されている。それにより、ホリエアツシ(Vo./Gt./Key.)が手掛けたストレートな言葉で綴られた歌詞が、聴く者の心に響く。楽曲に込めたメッセージをより多くの人々に届けようとするバンドの今の姿が反映された作品でもあった。

 珍しくコンサートホールでの開催となったこの日の公演は、日向秀和(Ba.)の太くグルーヴィーなベースが轟々と鳴り響き、ツアータイトルの由来となった歌詞が含まれるアルバム収録曲「Dark City」で幕を開けた。続けて、イントロが演奏されるやいなや、オーディエンスが手拍子と歓声で迎えた「PLAY THE STAR GUITAR」へ。「Ark」「The Novemberist」「AGAINST THE WALL」など、2000年代に発表した楽曲たちも次々と披露され、彼らが活動してきた13年間の新旧織り交ぜた楽曲で会場を魅了した。

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大山純(Gt)
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ナカヤマシンペイ(Dr)

 アルバムの中でも洋楽テイストを感じさせる「The Place Has No Name」は薄明かりのステージで披露された。ホリエが全英詞の歌詞を軽やかにかつ抑揚をつけながら歌いあげ、ナカヤマシンペイ(Dr.)の研ぎすまされたドラミングが響き渡る。大山純(Gt.)のギターのアンサンブルをはじめ、どの楽器のアレンジもシンプルなのは、ホリエの歌声を際立たせる役割を果たすためだろう。天井の高いホール全体に行き届くひとつひとつのサウンドに、オーディエンスは引き込まれていった。

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