でんぱ組.inc新作、音楽的スケールの大きさ 地球の裏側にまで向かうファンキーなサウンドを紐解く

 カップリングの「Ψです I LIKE YOU」は、Tom-H@ckが作編曲。Tom-H@ckは、清 竜人25のアレンジでも活躍しているアーティストです。全編でジャズのフィーリングを漂わせながら、ときに細かいビートを挿入してくる手腕がTom-H@ckらしいです。

 また、同じくカップリングの「待ちぼうけ銀河ステーション」もジャジーな楽曲。こちらの作編曲は三好啓太で、特にベースラインの動きが洒落ています。そして、ドリーミーなポップスとしても成立している佳曲です。

 通常盤とカセットテープ(!)の最後に収録されているのが、『ひみつのアッコちゃん』のエンディングテーマ「すきすきソング」のカバー。前山田健一の手によって、細部まで作りこまれたトラックになっています。

 『最Ψ最好調!』の収録曲は、ジャズからボサノヴァまでを、つまり地理性で言い換えればアメリカ南部からブラジルまでを包み込んでいます。実は音楽的なスケールが大きいシングルなのです。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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