the GazettEが語る『DOGMA』ツアーの裏側、そして結成15周年への意気込み

the GazettE、『DOGMA』ツアーの裏側振り返る

「ようやく過去を認めたり大事にできるようになった」(RUKI)

ーーさっきも幕張メッセ公演という話がでましたが、先日は『the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 GRAND FINALE DOGMA -ANOTHER FATE-』を行ないましたよね。(参考:http://realsound.jp/2016/10/post-9531.html)

RUKI:あの日は気負いなく、楽しくできたよね。無料だからってわけでもないんだけど(笑)。

ーー『DOGMA』の初回限定盤に入っているゴールデンチケットを手に入れた、熱心なファンの方しかいないライブだったということもあったのでは。

RUKI:そうかもしれないです。あ、でも今後初回盤に全部チケットが入ってるんじゃないかって勘ぐるのはやめてほしいですね(笑)。

戒:たしかに気負いはしなかったですね。その前のライブから間が開いてたというのはあるんですけど、今後違うコンセプトの時に『DOGMA』の曲が入ったらこんな感じなのかな? と俯瞰で見れるくらいの感覚でやれたかなと。

葵:何故かひとりだけガチガチに気負ってました。「やっと解放される」みたいな。こみ上げるものがありましたね。こんな感覚、久々に味わったかな。

麗:今回の幕張はいい感じで力を抜くことができて、番外編みたいな気持ちでやりつつも、次のライブ(10月28日のZeppTokyoでのファンクラブ限定ハロウィンライブ)に向けての一本という意識があったのかもしれません。

ーーライブの本数を重ねていく上で、アルバム『DOGMA』の解釈に変化はありましたか。

RUKI:俺は一番最後の幕張公演で演奏したときが、当初の『DOGMA』の解釈に近い印象がありました。

ーーその印象を具体的な言葉にすると?

RUKI:『DOGMA』はライブハウスっぽい場所でやるイメージで作っていたから、ホールではそれを拡張した感じになっていたんですよ。それを経て、改めてスタンディングの生々しい状態に戻って終われたからなのかもしれないですね。幕張のサイズ感もちょうど良かったんだと思います。

REITA:アルバムが出来上がった時点では、自分の中で激しい状態を想像していたんですよね。最初の頃は重たい空気感を重視していたこともあり、なかなか自分の考えていた激しさを実現できなかったというか。それがだんだんと最後の幕張で近くなった感触はありました。

ーーそしてその幕張メッセのラストで3月10日に十五周年記念公演 『大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」』を国立代々木競技場第一体育館で開催することを発表しました。2014年の過去のアルバムをテーマにした「再定義」ツアーとの違いはあるのでしょうか。

RUKI:コンセプトとして「大日本異端芸者」を掲げていた時期があったんですが、ある日を境にフェードアウトしていったんで。

ーー2006年前後を境に、バンド表記も「ガゼット」から「the GazettE」へ変わりましたよね。2006年の初武道館公演ではすでに「the GazettE」でしたので、代々木競技場のような大規模な会場で「大日本異端芸者」を冠するというのは大きな出来事といえますね。

RUKI:たしか国際フォーラムで武道館を発表したんだっけ? あの時期は気持ち的に「異端芸者」を早く捨てたかったんですけどね。

ーーそれは何故ですか?

RUKI:当時はそういうテンション感じゃなく、曲調も変わって行く時期だったんで。恥ずかしかったんですよ、たとえば新しいインタビュアーさんが来ると、毎回「大日本異端芸者ってなんですか?」って聞かれること自体が自分たちの中でナシになっていたというか。

戒:いつの間にか「大日本異端芸者」が顔みたいになっていて。ある意味不本意だったというのもあります。

ーーとはいえ、大事なキャリアのひとつではあるわけですよね。

RUKI:「再定義」ツアーや『DOGMA』を経て、ようやく自分たちの過去を認めたり大事にできるようになったんですよね。

RUKI:当時なりに一生懸命だったんですけどね。

ーー周囲の反発が大きかったと。

RUKI:「『the』ついてるし!」みたいな(笑)。

REITA:寂しい思いをしたファンもいたと思います。

ーーロゴもスタイリッシュに一新されましたし、カッコいい感じになったというか……。

RUKI:いや、そこを目指してたんですよ(笑)。

麗:カッコよくなって何が悪いんだ(笑)。

ーーその頃の曲を披露するにあたって大きくアレンジを変えたりはするのでしょうか。

RUKI:今のスキルを持って異端芸者を再構築する、という感じですね。

麗:「この曲なんだろう?」みたいなアレンジにはならないかな。どんな形であれカッコいいものにしなければいけないですが。

RUKI:ファンが嫌がりそうなアレンジはしないですね。でも当時のままでやることはないです(笑)。

葵:今になって聴き返すと、不協和音とか入ってたりするからね(笑)。

ーー直近では、11月6日の『KNOT FEST JAPAN』に出演が決まっています。the GazettEは昨年の『LOUD PARK』に出演し話題となりましたが。

RUKI:気負わないフェスはなかなかなくて、どこ言っても新人みたいな感じなんです。「どうもthe GazettEです! よろしくお願いします!」くらいの低姿勢ですよ。いつも「人いるの?」って聞いちゃうくらい不安だし緊張もする。

ーー『KNOT FEST JAPAN』もそんな低姿勢で行くんでしょうか。

RUKI:オラつきながら尻尾振ってるって感じですね。吠えてるんだけど尻尾振ってる。かわいいやつです(笑)。でも、昨年の『LOUD PARK』に出た以上、もう何も怖くないですね。

REITA:興味なくても見ててくれてたらいいんですけど、『LOUD PARK』のときはバンド名がアナウンスされた時に声が聞こえなくて、「いない?」って不安になったんですよ。

RUKI:知らない人の目が並んでるのは怖いよねえ。出る前から、「出てくれるな」みたいな声もありましたよね。何言っても炎上してました。Twitterに「ジャンルなんて関係ねえ」って書いたら「あるから!」って炎上して。「あっ、はい、ですよね……」みたいな(笑)。そんなことがあったから、MCでも「なんで呼ばれたかわからないです」と言ったのですが。

ーーそのMCは話題になっていましたね。

RUKI:実際楽しいんですけどね。呼ばれるだけで嬉しいんで、どこでも行きますよって感じです。

ーー来年は15周年のアニバーサリーイヤーですが、「大日本異端芸者『暴動区 愚鈍の桜』」公演以外に考えていることはありますか?

RUKI:何をすればいいのかなあと考えてはいますよ。

戒:でも、まだ言えないですね。

REITA:色々決まってきたら、また告知の動画を作らないといけないんですよね……(苦笑)。

ーーそこですか(笑)。

RUKI:とはいえ、バンドなんだから、「やる」しかないんですよ。

(取材・文=藤谷千明)

■リリース情報
『the GazettE LIVE TOUR 15-16 DOGMATIC FINAL -漆黒- LIVE AT 02.28 国立代々木競技場第一体育館』(DVD・BD)
発売日:2016年 11月9日(水)

・初回限定盤(DVD2枚組)¥9,258+税
特製LPサイズ仕様
透明スリーブケース
48ページ撮りおろしLPサイズパンフレット

・通常盤(DVD2枚組)¥5,800+税

・通常盤(BD1枚組)¥6,800+税

■ライブ情報
『十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」』
2017年3月10日(金)国立代々木競技場第一体育館
開場17:30/開演18:30
・チケット料金:全席指定 ¥8,000-(税込)
※3歳以上有料
・チケット一般発売日:2017年2月11日(土)10:00
特設サイトはこちら。

■関連サイト
the GazettE オフィシャルサイト

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