England PUNKは死んでいないーーDEATH SIDE ISHIYAのロンドン〜ブリストル現地レポート

THE DOMEでの出番前楽屋にて。

 翌日は今回のイギリスでのメインライブが行なわれる日だ。THE DOOMという会場は、かなり大きな規模で、500〜700人ぐらいは入りそうなライブハウスである。 ステージは高くなっており、エンジニアも完璧な音づくりをしてくれるプロフェッショナルな人物だった。この会場でもすでにチケットはソールドアウトとなっており、当日来た観客も限界まで入場させるとのこと。開場前から、イギリスに住む友人達が多数来てくれ、開場してからも続々と観客が集まり始める。

 超満員の会場での初イギリスのライブは、今までボーカルである筆者が前面に出るような形だったものが、何度かのライブを経験し、ギターのコンビネーションとベース、ドラムのリズム隊の息がピッタリと合い前面に出るという新たな形が出来上がってきたように感じた。元来、ギタリストである故CHELSEAの魂を伝えるために始めたDEATH SIDEであるため、この形が本来のものなのではないかと個人的に感じた部分があった。

THE DOMEでのライブの様子。

 今後、オーストラリアでのライブが決まっているが、そのときにはいったいどういった形が出てくるのか楽しみになるライブだった。

DEATH SIDE - Mirror

 後から聞いた話だが、今回のロンドンのライブには両日共にほとんどがイギリス以外のヨーロッパ各国から来た人が多かったようだ。イギリスの人間は半分もいなかったと聞いた。

 2日目のメインライブの日は、ロンドン市内でCONFLICTのライブと、別の場所ではDISCHARGE、SICK ON THE BUSのライブがあったのが大きいと思うが、ロンドンやイギリスのパンクスの数自体が減ってきているのだろうか?

 よく考えてみると、たくさん来てくれた友人もフィンランドやスウェーデン、チェコの人間などが多かった。イギリスに住む友人も来てくれたが、やはりロンドンか近郊在住、もしくはブリストルの人間だった。

THE DOMEのフライヤー。ポスターやTシャツにもなった。

 初ロンドンは様々なイギリスに触れることができた良い経験だった。地下鉄の乗り方を憶えたり、近隣のパブに行ったり、目の前の大映博物館ではパンク40周年を記念した展覧会が行なわれており、反体制であるパンクが国立博物館で催される展覧会で歴史を知るという不思議な気分も味わった。

 SEX PISTOLSのマネージャーであったマルコム・マクラーレンの息子は、その展覧会に異議を唱え、個人のコレクションを燃やすというイベントも行なわれるという。

 長年のパンクという現象の歴史が、こういった形で国家というものに認められるというのは、なんとも言えない気持ちになり、ロンドンでのパンクスが減っている原因にも関係があるのかと考えてしまった。

 しかし翌日のオフで訪れるブリストルは、個人的にイギリスでは一番の思い入れがある街であり、1番好きなバンドCHAOS U.Kの街でもある。

 ほかにもDISORDER、AMEBIXなど個人的に神のような存在のバンドがいる街であり、今回の渡英ではライブと共にブリストルに訪れることは、憧れでもあり夢でもあった。(参考:DISORDERとCHAOS U.Kーー伝説的ノイズコア・バンドの来日公演をISHIYAが徹底考察

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