宇多田ヒカル、活動再開後初のTV出演へ 表現者としての成熟をどう見せるか?
「人間活動」のなかで得た成熟、音楽表現の深化によって生まれた『Fantôme』。常にライブが想定され“みんなで一緒に楽しむ”という刹那的なポップソングが大部分を占める現在のシーンにおいて、1対1の関係性のなかで、じっくりと集中して耳を傾けざるを得ない『Fantôme』の楽曲がどのような形で受け入れられるのかは、正直言ってまったくわからない。しかし、このアルバムが音楽的、精神的に優れていることは間違いなく、本作によって宇多田ヒカルは、その才能が破格であることを改めて示すことになるはずだ。アルバムのリリースに伴い、いくつかのテレビ番組にも出演。まずは2016年の彼女の歌声をじっくりと感じ取ってほしいと思う。
(文=森朋之)