JUONが描く、ギターサウンドの未来形「EDMフェスとロックフェス両方に出られる存在になりたい」
FUZZY CONTROLのギター&ボーカル、JUONがソロ活動を本格的に開始し、このたび1stアルバム『CHANGE THE GAME』をリリースした。伸びやかな歌声とポップなメロディ、トレードマークでもあるギターサウンドは健在ながら、FUZZY CONTROL時代のストレートなロックサウンドからは一転、スクリレックスやゼッドらEDMアーティストにも通じるような、強靭なビートとエレクトロを大々的に導入した多幸感あふれるダンス・ミュージックを、アルバム全編にわたって展開している。
幼少の頃から始めたギターを「武器」に、未来を切り開いてきたJUON。DREAMS COME TRUEや稲葉浩志のサポートを務めた経験を経て、スタジアム公演にも耐えうるサウンドを追求してきた彼に、これまでのキャリアを振り返りつつ本作への思いを語ってもらった。(黒田隆憲)
「何事も続けていくことが大事」
ーーご両親がミュージシャンで、幼少の頃から音楽に囲まれた環境にあったんですよね。
JU0N:はい。家の中で60年代、70年代のロックがずっと流れていて。しかもジャンルが幅広かったんですよ。ビートルズやローリング・ストーンズはもちろん、カーペンターズやデヴィッド・ボウイ、T・レックス、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、ジミ・ヘンドリックス、サンタナ……。かと思えば、エルヴィス・プレスリーやブレンダ・リー、ジョー・コッカー、フランク・シナトラのような、いわゆるポピュラー音楽もよく聴いていましたね。
ーーその中で、JUONさんが特に好きだったのは?
JUON:1つに絞るのはすごく難しいんですけど、やっぱりレッド・ツェッペリンかなって思っています。小学校5年生でギターを始めて、6年生の頃にはバンドを組んでいたんですけど、そのときにディープ・パープルやツェッペリンをコピーしてて。
ーーすごい小学生ですね(笑)。他のメンバーもみんな同級生?
JUON:そうです。僕が学校にギターを持って行って、アンプで鳴らしたりして遊んでたら、周りでギターを始める奴とか増えてきて。それで勝手に「ギター部」みたいなのを設立しました。学校には認定してもらえなかったんですけどね(笑)。部員は誰も洋楽を聞いたことなかったんですけど、例えばディープ・パープルの「Black Night」を僕が弾いてみせて、「ほら、これCMで聴いたことあるでしょ? 今度コピーしない?」みたいな感じで。
ーーその頃からリーダーシップを発揮し、周りに影響を与えていたのですね。
JUON:うーん、音楽やギターに関してはそうかもしれないですけど、クラスの中心人物っていう感じではなかったです。髪の毛長かったので、女の子にからかわれたりしてましたし(笑)。
ーー自分で曲を作ろうと思ったのは?
JUON:小6のときですね。その頃になると、アドリブでギターフレーズも考えられるようになっていて、「もしかしたらオリジナル曲、できるかも」って思ったんですよね。父も母も、家の中で普通に即興で曲を作ったりしていましたし。最初に2曲作りました。そのうちの一つは、「Beautiful Dream World」っていうタイトルだったかな(笑)。でも、そのあとしばらくは作らなくなってしまいました。
ーー本格的に作るようになったのは?
JUON: 15歳ぐらいの頃です。ちょうどフー・ファイターズやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、リンプ・ビズキット、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどが全盛の頃で、最初のうちは彼らの音楽に対して抵抗がありました。「なんだよ、ギターソロないのかよ〜!」って(笑)。それが、聴いているうちにだんだん好きになっていくんです。特にレッチリが大好きでしたね。リンキン・パークのような、緻密な音作りもカッコイイんですけど、レッチリの音楽って、ミュージシャンの身一つで鳴らしているというか。曲が思いついたらすぐにスタジオに入って、そのままセッションで完成させてしまうような、そんな生バンドとしてのエネルギーを、強く感じるところがたまらなかったですね。
ーー誰かと一緒に何かを作り上げていくことが好きだったんですかね。
JUON:そうですね。割と早いうちから一人暮らしも始めていたので、それで友達作りに励んでいたのかもしれないです(笑)。寂しがり屋なんですよ僕は。それは今も変わってないかもしれない。「寂しがりパワー」を軸にして、みんなと一緒に音を出すことで、自分の気持ちを解放できたんじゃないかなって。自分自身の原動力はそこにありますね。
ーー「歌を歌う」ということに関しては?
JUON:最初は全く自信がなかったんです。歌うこと自体は好きだったんですけど、最初に人前で歌った時はもうドキドキでした。それが3年、4年くらい歌い続けてると、ときどき自分の歌が、聴いている人に「刺さっている」って感じる瞬間があるんですよ。その感動がハンパなくて。今はもう、いつも歌いたくてウズウズしてますね。何事も続けていくことが大事なんだなって思います。