PerfumeはPerfumeとして確固たる位置に居続ける--新作のチャートアクションから考えるグループのブレなさ

参考:2016年04月11日~2016年04月17日(2016年4月25日付)(ORICON STYLE)

 氷室京介、BOOWY時代も含めた初のオールキャリア・ベスト・アルバム『L’EPILOGUE』が1位です。若い方たちも「誰それ……」と言わずにこのまま読んでください。

 80年代に彗星のごとく現れ、日本のロックシーンの潮流を変えたのがBOOWYであり、その中心たるカリスマ・ヴォーカリストが氷室京介でした。その後のバンドブームの火種になったのも彼らであり、BOOWYの影響(あるいはBOOWYフォロワーの影響)を受けた人たちが、今でも第一線で活躍しているのが現状です(V系にしろ、ギターロックでも、パンク畑であっても「きっかけはBOOWY」と語る人たちのなんと多いことか!)。そんなバンド知らないという平成世代の音にだって、実はDNAレベルで組み込まれているのです。

 しかし当人たちは否応なく年をとっていく。現在55歳、これから始まり5月まで続くコンサートを「LAST GIGS」と題している氷室ですから、これが本当に最後だという覚悟もあるのでしょう。BOOWYの再結成はついぞ叶わなかったし、彼の勇姿をこの目で見ることももうできなくなる。それを惜しむ50〜40代の涙の結晶がこの1位を作り上げた。1995年以降は渡米してほとんどメディアに出なくなった人ですが、それでも初登場にして85,051枚の数字。やっぱり凄いなと痛感します。

 同じくらいの凄さを感じさせるのが4位のPerfume。今週は18,448枚なので「大したことなくね?」「もうピークは終わってね?」と言い出す人もいるだろうけど、先週のチャートでは初登場1位で122,732枚と素晴らしき安定を見せています。確かにピークという言葉は今じゃない。ドキドキするようなブレイクの季節は過ぎている。だけど、もはや一過性の流行で終わる感じがしない。そしてPerfumeに憧れた若手がいろんな場所から出てきているけれど、PerfumeはPerfumeとして確固たる位置に居続ける。そんな予感がします。

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