さやわかの『Billboard Japan Hot100』チャート分析
長期的に支持されるアーティストに必要な条件は? ビルボード複合チャートから読む
1位のSKE48「チキンLINE」、まことに素晴らしい曲であります。LINEという一企業の携帯アプリが今やコミュニケーションインフラとして一般名詞化し、それが映画「プリパラ み~んなのあこがれ♪レッツゴー☆プリパリ」などという女児向けアニメの主題歌としてその曲名にすら刻まれ、またそれをSKE48という当代トップクラスの人気アイドルが歌い、しかも週間シングルチャートで初登場1位を記録するわけです。楽曲の内容とおおよそ関係がなさそうな謎のSFストーリーが展開されるPVも含めて、当方こういうガラパゴス状況がもう大好きですから、この結果に際しても合成着色料がっつりの駄菓子をベロベロなめるがごとく全力ガンギマリ気分で楽しめます。諸兄におかれましてもそうであってほしいと切に願うところであります。
3位のPerfume「FLASH」も映画『ちはやふる』主題歌で、そういえば作曲の中田ヤスタカさんは自身のユニットCAPSULEでもFLASH BACKとかFLASH BESTとか、FLASHという言葉がついた作品を作っていらっしゃいます。気になる言葉なんでしょうかね。楽曲としては映画の内容が百人一首であるせいか、どこかアルバム『JPN』時代のテイストも感じさせる、いくぶんミドルテンポな内容でありました。ただPVの内容が映画の内容を生かしたものであるせいか、ビルボードジャパンの複合チャート上では再生回数の伸びが他の要素に比べると今ひとつのようです。2位の三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEがPV再生回数でぶっちぎりの1位を獲得していることも鑑みるに、こうした複合チャートでは動画再生回数の動向はそれなりに大事なのかもしれません。