SKE48は“ピンチ”をどう乗り越える? 新体制とTwitter強化から運営の意図を読む
SKE48が3月3日と4日、名古屋・日本ガイシホールで『みんな、泣くんじゃねえぞ。宮澤佐江卒業コンサート in 日本ガイシホール』を行なった。
同ライブをもってグループの精神的支柱・宮澤佐江が卒業となり、MCでは松井珠理奈の口から「すごくSKE48はピンチだな」という発言があった。しかし、ライブでは最新シングル『チキンLINE』のカップリング曲である「彼女がいる」で矢方美紀、「キスポジション」で7期生の小畑優奈、「Is that your secret?」でドラフト1期の髙寺沙菜がそれぞれセンターに。また、AKB48最新シングル『君はメロディー』(Type-A)収録のSKE48 楽曲「Gonna Jump」では、7期生の後藤楽々がセンターに抜擢されるという大胆な起用がみられたほか、新体制として、SKE48全体の人事も下記のように発表されるなど、次のフェーズへ向け、グループは大きな変革期を迎えている。
SKE48 キャプテン 斉藤真木子
チームS リーダー 矢方美紀 副リーダー 松本慈子
チームKⅡリーダー 大場美奈 副リーダー 内山命
チームEリーダー 須田亜香里 副リーダー 福士奈央
この新体制について、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の筆者であり、AKB48グループに詳しい香月孝史氏はこう分析する。
「チームリーダーに関しては、大場・須田はそのままという形ですが、以前は宮澤を含め、グループ内外でも知られているメンバーが起用されていました。しかし、キャプテンになった斉藤と、宮澤の後継者としてチームSのリーダーになった矢方は、対外的にはあまり知られていない存在。ただ、ともに責任感が強く、ファンやメンバーからの支持は厚い2人なので、グループを立て直すという意味では納得のいく人事といえるでしょう。また、副リーダーに松本と福士というドラフト2人を起用していることは、『グループに変革をもたらしたい』という運営の意図が見えます」
また、香月氏は、SKE48が松井のいう「ピンチ」に陥った要因を「ファン以外へアプローチする機会が少なかった」と前置きし、下記のように述べた。
「元日にメンバーが一斉にTwitterを開始し、3月8日には松井珠理奈もアカウントを開設したことは、これからのSKE48にとって大きなことになるでしょう。グループのエースである松井珠理奈は、AKB48での活動などを通じ、名前は広く知られているものの、48グループ内での立ち位置を別にした一個人としてのキャラクターは、たとえば同じ姉妹グループの山本彩(NMB48)に比べるとそこまで浸透していないように思います。AKB48グループはこれまでも様々なSNSを同時並行的に活用してきましたが、それらの中でも、とくにTwitterはAKB48グループのファンではない人たちに、様々な文脈からリーチする可能性の高いSNSツールです。Twitterの開始を契機に、より広い世界に関わるきっかけが生まれ、また外部からの刺激を知ることで新たな魅力を打ち出し、それが様々な人に見つかることを期待したいです」