嵐、SMAP、TOKIO、関ジャ二、セクゾ……2015年にジャニーズグループが冠番組で見せた「成熟」と「成長」

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(C)タナカケンイチ

 年の瀬も押し迫ってきたということで、今回は各グループの冠番組からジャニーズとテレビの2015年を振り返ってみたい。

 今年も、SMAP、TOKIO、KinKi Kids、嵐など各グループのレギュラー冠番組が安定して私たちを楽しませてくれた。加えて今年は“アニバーサリー・イヤー”でもあった。

 昨年デビュー15周年を迎えた嵐の冠番組のひとつ『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)は今春で5周年。6年目突入を機に同局の人気番組『世界の果てまでイッテQ!』や『月曜から夜ふかし』を担当する古立善之の企画・演出となり、「大野智の作ってみよう」や「ニッポン再発見!櫻井翔のお忍び旅行」など、各メンバーの特技や個性を生かしたロケ企画をフィーチャーした内容へとリニューアルした。それにより、嵐のメンバーそれぞれの素の人柄や魅力もこれまで以上に画面を通して伝わってくるようになったと言えるだろう。

 さらに大きな節目を迎えた番組やグループも、今年は多かった。

 『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)は20周年目に入り、メンバーが交代でオーナーとゲストになる特別企画「シャッフルビストロ」が始まった。このコーナー、SMAPのメンバーが見せるナチュラルな表情が印象的だ。ふだんは大物ゲストも多い番組ゆえ、彼らはホストとしてどうしても緊張感を保っていなければならない。だがこの企画では、SMAPメンバーだけの空間ということで、いい具合にリラックスした空気が伝わってくる。これまでゲストとして草彅剛、香取慎吾、木村拓哉が登場した。今後中居正広、稲垣吾郎がゲストの回が楽しみだが、ここから2013年の5人旅のような大型企画へと発展することも期待したい。

 すっかり日曜夜の人気番組として定着したTOKIOの『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)は、この秋ちょうど20周年を迎えた。それを記念して初期の名物企画「電車リレー対決」が復活、当時敗れた阪神電車との再戦が実現した。いまや平均年齢40歳になったTOKIOが力を合わせて電車に挑むさまは、バラエティにおけるガチの醍醐味を味わわせてくれた。「真剣に遊ぶ」こと、それが「DASH村」や「DASH島」などDIYをポリシーに奮闘する姿で私たちを楽しませてきたこの番組の原点であることが再認識できた。

 そしてV6のデビュー20周年を祝って7年ぶりに復活したのが『学校へ行こう! 2015』(TBSテレビ系)である。「未成年の主張」や「B-RAP HIGH SCHOOL」などかつての人気コーナーの名場面と現在のV6が学校訪問の旅をする様子がクロスする構成に、自ずと番組とV6の歴史が浮かび上がる。今見ても色あせないVTRの面白さに、企画のクオリティの高さが感じられた。最後、V6へのサプライズプレゼントとして出演者たちがリレー形式で『愛なんだ』を踊るVTRも感動的で、V6とこの番組がいかに今も愛されているかが伝わってくる内容だった。

 面白いのは、今ふれた番組のすべてに「20周年」という数字が絡んでいることだ。

 それは何よりも、ジャニーズの出演番組がテレビの世界に定着した証だと言えるだろう。今でこそ当たり前のようになっているが、ファン向けでなく一般視聴者向けの娯楽番組でジャニーズがメインになることなど、1980年代まではほとんど考えられなかった。その常識が変わったのが今から20年ほど前の1990年代の半ばであったことを、この「20周年」という数字は教えてくれる。この間の経験の蓄積を糧に、今ふれた番組やジャニーズグループもそれぞれ「成熟」に向かいつつあるということなのだろう。

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