3rd配信シングル「つなぐもの」インタビュー
丸本莉子が“初のラブソング”に込めた気持ち「恋愛の矛盾みたいなものを歌いたかった」
シンガーソングライターの丸本莉子が、12月16日に配信シングルとして3作目となる「つなぐもの」をリリースする。これまで“応援ソング”を展開してきた彼女だが、今作は上京直前に書かれたというラブソング。恋愛中の言葉にしにくい葛藤や矛盾が、彼女らしい真摯な視点で描かれている。ミュージックビデオでは、non-no専属モデルの佐谷戸ミナが出演し、ストーリー性のある映像で話題に。またカップリングでは、高知県「2016奥四万十博」のテーマソング「がんばる乙女~Happy smile again~」を聴くことができる、今回のインタビューでは、着実に活動の幅を広げている現況から、シンガーソングライターとして変わらない思いまで、じっくりと語ってくれた。(編集部)
「言葉にしたいけど、言葉にならない……そんな気持ちを表現したかった」
ーーメジャーデビューから半年が経ちました。
丸本莉子(以下、丸本):そうですね。高校二年生のときに音楽活動を始めて以来、ずっとメジャーデビューを目標にやっていたんですけど、今はメジャーデビューしてからが、また始まりなんだなって思っていて。スタッフさんも増えたし、もっともっと頑張らなきゃって思っています。
ーー9月に1stミニアルバム『ココロ予報~雨のち晴れ~』をリリースしましたが、早くも3rd配信シングル「つなぐもの」がリリースされます。
丸本:結構早いペースで出させてもらっています(笑)。
ーーアートワークも曲調も、これまでよりもグッと大人びたものになっています。
丸本:そうですね。メジャーで出すなかでは、今回が初めてのラブソングになるんですよね。9月に出したミニアルバムにも、完全なラブソングっていうのは入っていなかったと思うので。いわゆる“応援ソング”というか、背中を押すような曲が多かったと思うんですよね。まあ、前回の配信シングル「やさしいうた」は、とらえ方によってはラブソングでしたけど、ここまで“女の子”っていう感じのラブソングは、今回が初めてだと思います。だから、こういうビジュアルになったのかな(笑)。
ーー(笑)。ラブソングをこれまであまり書いてこなかったのはどうしてですか。
丸本:高校生のときは、たくさん書いていたんですけど……上京してからは、全然書いてなかったですね。こっちに来てからは、地域のテーマソングとかを作らせてもらうことが、多かったりしたので。
ーー地域のテーマソングはどんな経緯で作るようになったんですか。
丸本:私が所属している事務所が、地域活性化プロジェクトっていうのをやっていて。そうやって地域を元気にしていこうっていう活動のなかで、私も歌で貢献できたらなって思っていて。そういう活動を、3年間インディーズでやっていたんですよね。だから、東京に来てからは、いわゆる“応援ソング”みたいなものを作ることが多かったのかもしれないです。
ーーなるほど。
丸本:まあ、もともと自分が歌っていたレパートリーのなかに、ラブソングが結構あったから、それで作ってなかったっていうのもあるとは思うんですけど。むしろ、アップテンポなものを作ることに、自分の興味が向いていたというか。
ーー今回の「つなぐもの」は、それこそ上京する前からあった曲だとか?
丸本:そうですね。上京するギリギリ前、二十歳の頃に作った曲です。でも、当時のものとは、ちょっと歌詞を変えています。今の言葉使いというか、25歳の今の言葉使いに、歌詞を直したりしました。たとえば、「あたし」っていう言葉を全部「わたし」に直したり。言葉使いを、ちょっときれいにしたんですよね。
ーーもともとは、どんな思いのもとに作った曲だったのですか?
丸本:ラブラブな曲とか失恋の曲とかって、結構世の中に溢れていると思うんですけど、つきあっていて、ちょっと倦怠期になったときの曲って、あんまり無い気がして……そういうものを表現したかったんですよね。
ーーというと?
丸本:歌詞で言ったら、最初に〈言葉にしないと伝わらなくて〉って歌っているんですけど、最後は〈言葉にはならない〉って歌っていて。そういう矛盾みたいなものを歌いたかったんです。恋愛っていうのは、やっぱり自分が思っている通りにはいかないというか、言葉にしたいけど、言葉にならない……そんな気持ちを表現したかったんですよね。
ーーなるほど。
丸本:そういうことって、普段の会話で言葉にするのは、すごく難しいと思うんですよね。もし言ったとしても、言われたほうは、ちょっと重いと感じるかもしれないし。でも、こういう想いっていうのは、好きになればなるほどあると私は思っていて……それを歌に乗せることによって、重さが軽減するというか、何かちゃんと表現できるんじゃないかなって思ったんですよね。