ジャニーズ『カウコン』生中継復活の理由とは? 同公演の”社会的意義”と“見どころ“を読む
フジテレビが、12月31日から1月1日にかけてジャニーズ事務所所属タレントにより実施される『ジャニーズカウントダウン公演』の生中継を、2013年以来2年ぶりに復活させると発表した。
1998年より同事務所の恒例イベントとして行われている同公演は、フジテレビが15年もの間にわたって生中継を担当してきた。しかし、2014年は中継がなかったため、今回の復活に際し、ファンは喜びの声を上げている。
なぜ昨年は中継がなく、2年越しの復活となったのだろうか。『中居正広という生き方』や『紅白歌合戦と日本人』の著者で、リアルサウンドで『ジャニーズとテレビ史』を連載に持つ社会学者の太田省一氏はこう解説する。
「『ジャニーズカウントダウン公演』の裏では、同じく年末の恒例番組の『NHK紅白歌合戦』がオンエアされており、ジャニーズ事務所からの出演者は増える傾向にあります。2000年代後半まではSMAPとTOKIOが主に出演してきましたが、2009年からは嵐がそこに加わり、また関ジャニ∞や若手枠としてNYCやSexy Zoneなども出演しています。さらに昨年2014年に関してはV6も初出場となって計6組が登場したため、事務所としてもカウントダウン公演の生中継よりも、紅白歌合戦の比重が高まったためにそうしたという推察もできます。本来『ジャニーズカウントダウン公演』は、阪神淡路大震災の被災者へ向けたチャリティー活動の一環で、関西出身メンバーのいるTOKIO・V6・KinKi Kidsが集まった、期間限定のスペシャルユニット『J-FRIENDS』による公演から派生したもの。その3組から2組が『紅白歌合戦』に出演するということで、バランスをとることが難しくなったため、1年だけ生中継をしなかったとも考えられますね」
続けて同氏は、『ジャニーズカウントダウン公演』が示す事務所のスタンスと、同公演が大事にされている理由について、以下のように述べた。
「ジャニーズの歴史自体、ジャニー喜多川氏がまだ戦争の傷の癒えていない戦後の日本人を元気づけるために立ち上げた野球チームから始まったということがあり、チャリティーコンサートから派生した『ジャニーズカウントダウン公演』は、ジャニーズと世の中のそうした関わりの原点を思い起こさせます。だからこそこの公演を行う意義がジャニーズにはあり、中継が完全になくなるとは中々考えづらかったため、今回の生中継復活には納得できる部分が多いですね」