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『Music Factory Tokyo』スペシャルインタビュー

Wienners・玉屋2060%が音楽作家としての“顔”を語る 「普通のことをやって、個性をどれだけ出せるか試したかった」

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「普通のことをやって、自分の個性をどれだけ出せるのかを試したかった」

――そんな玉屋さんがJ-POPに作家として足を踏み入れるようになったのは、でんぱ組.incの「でんぱれーどJAPAN」です。同曲ができたきっかけを教えてください。

玉屋:たまたまでんぱ組.incとレーベルが一緒だったという縁もあり、声を掛けてもらったのがきっかけです。僕自身、当時は作家仕事というか、人に曲を書いてお金を貰うなんてことは考えていなかったですし、この曲に関しては“知り合いの女の子に曲を書く”くらいのテンションでした。だからといって手を抜いたわけではなく、Plus-techSqueeze boxやHazel Nuts Chocolateのような音楽性を、カワイイ女の子たちが鋭角的なスタンスで歌ったらすごく面白そうという妄想が自分の中にあったので、それを形にしただけ。それをでんぱ組.incのチームが面白がってくれたのは幸いでした。

――自分の脳内や半径数メートル以内にある音楽を組み合わせた結果として同曲ができたと。

玉屋:こうしてバンドをやりながら楽曲提供も手掛けるようになるんですが、本業で音楽作家をやっている人にはかなわないなと思ってしまいます。コンペで勝負したこともないから、キャッチーな楽曲を作る技法みたいなものも自分のなかにはないし。その分、自分で最大限納得したものを出そうという意識はありました。アイドルさんって、自分で曲を作るなんて稀で、出てきたものを選べないまま歌うことが大半だと思うので、せめて「この曲、クソだな」と思われないようなものを作りたい。歌う側も納得できる曲ですね。

――そんな音楽作家としてのスタートを経て、「でんぱれーどJAPAN」はファンや関係者から高い評価を得て、次の「でんでんぱっしょん」へと繋がっていきます。このとき、周りの反応はいかがでしたか?

玉屋:『でんでんぱっしょん』のときは、実際まだそこまで周りの反応を見ていなかったですね。自分自身、あまりネットを見ないし、SNSをやっていないから、バンド友達に聴かせて「あ、この曲いいね」って言われるくらい。だからでんぱ組がどれだけ勢いを増していて、世間ではこの曲がどこまで認知されたかをわかっていなかった。

――ではそれに気づいたのはどのタイミングですか。

玉屋:『でんでんぱっしょん』リリース後に、Wiennersがライブを行った現場ですね。でんぱ組.incファンの方がライブに足を運んでくれて、演奏が終わったあとも「あ、『でんぱれーどJAPAN』の人だ」、「『でんでんぱっしょん』の人だ」って声を掛けてくれたり、積極的に絡んでくれました。そこからは、ネットをやっていなくても伝わってくるくらい、でんぱ組がどんどん売れ始めたこともあり、自分がアイドルに作曲をしていることの重大さを理解し始めたときに、『サクラあっぱれーしょん』の依頼が来ました。この曲で作詞や打ち込みアレンジにも挑戦したんです。このときは、ある程度メンバーのことも知っていたし、武道館前の大事なシングルということもあり、ポップだけど尖った四つ打ち曲で勝負しようと思いました。

――なぜその方向性に?

玉屋:普通のことをやって、自分の個性をどれだけ出せるのかを試したかった。だからでんぱ組.incが過去に受けたインタビューも可能な限り読んで、過去のライブ映像も全部見たりしていたのですが、ここで「俺の実力以上に大きな仕事なのでは……?」という疑問に襲われて……。いくら作っても、自分の曲がクソにしか感じなかった。で、そのとき丁度DAWをGarageBand‎からLogic Proに変えたんですが、打ち込みの仕方は正直分からなくて。勉強しようと思って色んな作家さんのインタビューを呼んだり、音源を聴いて近づけようとしてもできなかったから、∴560∵(Wiennersのベーシスト)に「なんで俺に頼んでくるんだと思う?」って聞いたんです。そしたら、あいつから「そんな音楽作家みたいなことを求めてるなら、あんたに頼まない。そうじゃないところ、もっと人間くさい“楽しさ”みたいなものをあんたに求めてるんだ」と言われて「ああ、そうか。だから『でんぱれーどJAPAN』も『でんでんぱっしょん』も評価してもらえたのか」と気が付いて。

――そこからは順調にいきましたか。

玉屋:もう自分の考える楽しさを詰め込んで、歌詞は僕がでんぱ組.incになったつもりで書きました。ここまで苦労した曲だからこそ、『サクラあっぱれーしょん』は自分のなかでも特に思い入れが強いし、武道館のライブで最後に披露されているのを見て、号泣してしまいましたね(笑)。

(取材・文=中村拓海/撮影=下屋敷和文)

【後編】「自分が重要だと思っているのは、どれだけ音楽以外のところから曲を作っていくか」へ続く

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