coldrain、“セットリスト投票ライブ”レポ 7年間の軌跡をファンと再確認した夜

coldrain新木場ライブレポート

 coldrainが9月19日、新木場Studio Coastで『SETLIST ELECTION LIVE 2015』を行った。2013年にブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン、ブリング・ミー・ザ・ホライズンらが所属するRaw Power Managementとマネジメント契約を交わし、2014年から海外での活動を精力的に行っている彼らは、9月28日からブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインのツアーサポートを務めるヨーロッパツアーを皮切りに『VENA WORLD TOUR 2015-2016』として、全世界を回る予定だ。

 日本での年内ライブは今回が最後、さらに“SETLIST ELECTION=セットリスト投票”と名付けられた本ライブは、デビュー・シングル『Fiction』から最新EP『Until The End』までの全楽曲からファン投票でセットリストを決めるという、スペシャルな内容だ。しばらく彼らのライブを見れなくなるうえ、そんな特別なライブともなると、会場の熱気は当初から尋常ではないものがあった。

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 少し横長の会場は、小上がりのスペースまで超満員。開場時間から15分ほど経つと客電が消え、舞台前方に下がったスクリーンにバンドロゴと彼らのこれまでのアーティスト写真が走馬灯のように映し出される。耽美的なBGMとともに映し出されるそれらの映像は、まさに映画のオープニングのようだ。昂りをおさえられない観客から大きな歓声と手拍子が起こる。映像が終わりスクリーンが上がるとステージ上にバンドが姿を現した。

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Masato(Vo)

 1曲目はファースト・アルバム表題曲「Final Destination」だ。初っ端からクラウドサーフがひっきりなしの会場をMasato(Vo)が煽る煽る。その勢いのままKatsuma(Dr)の重厚感のある激しいドラミングが炸裂する「To Be Alive」ではヘドバンの嵐に。その後「どんな曲が来てもいけるんですか!すごい久々ですよ、この曲」と始まったのは「New Fate」。途中でMasatoが語っていたように、イベント出演も多い彼らだが、30分ほどのセットリストでは普段披露できない曲も多いだろう。しかし、今回はそんな久々な楽曲を堪能できる滅多にない機会だ。ヒートアップする観客をさらに煽るかのように、Sugi(Gt)、Y.K.C(Gt)、R×Y×O(Ba)がステージ前方にせり出しプレイを披露。これだけ激しいパフォーマンスにも関わらずMasatoのボーカルは、会場全体に向かって語りかけるように歌ってみえるのがとても不思議だ。

 「やりにきましたか。日々のストレスを発散させにきましたか。どの曲をやるとか関係なしに1日楽しみましょう。ラウドロックは好きですか。恥ずかしがらずに。全力で行くから1日よろしくな!」「No Escape!」と曲紹介がされると、悲鳴にも似た歓声が沸き起こり、筆者がいた2階席の床が落ちるのではと心配するほどの揺れが起こる。そんな熱気に包まれた会場にMasatoは積極的にマイクを向けたり、自ら激しいヘドバンを見せつけたり、ステージの上と下でまるでバトルが繰り広げられているかのようだ。

 お立ち台に上がったY.K.Cの華麗なギターソロから始まった「Rescue Me」「Adrenaline」「Never Look Away」と叙情的な美しいメロとデスボイスが織り交ぜられたまさに彼らの神髄といえるナンバーが続く。

 興奮状態の観客にむかってミネラルウォーターが各メンバーから次々と投げ入れられる。「やばいなーこれ!楽しんでますか!この企画やってよかった!できる限り毎年やります!今日は全国から集まってくれてるのわかってる。全国でできるようにしたい」と突然の定期開催宣言が(勝手に)Masatoから告げられると、ライブで披露するのはこれで2回目という「Believe」が。今までのノリとは打って変わって堂々と腰を据えたライブを披露するそのさまからは、スタジアムバンドの風格さえ漂う。その後、「どうしてもやりたい曲」として新曲「Words Of Youth」や、観客たちの4つの巨大なサークルモッシュで壮絶な盛り上がりを見せた「24-7」、Masatoと観客の掛け合いから大合唱へと続いた「Die Tomorrow」などを演奏した。

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