嵐・大野智のアートはどう進化したのか? 奈良美智も評価した作品群の背景を読む

 大野智は昨年、デビュー15周年記念ハワイコンサート『ARASHI BLAST In Hawaii』の舞台裏に密着したドキュメンタリー番組『嵐 15年目の告白~LIVE&DOCUMENT~』(NHK)にて、「2006年くらいから、正直やめようと思ったの。この仕事をしていたら出来ないことに興味を持ち始めた。海外を放浪したくなっちゃった。単純に自由になりたいみたいな気持ちで、この気持ちのまま(メンバーとは)一緒にいれないなって。すごい葛藤していた」と、かつて悩んでいた時期の気持ちを明かしている。しかし、10周年を迎えた頃から徐々に心境に変化が現れ、いまでは自分が嵐の一員であることに感謝をしているようだ。また、今回の会見で「僕は仕事だけやってるとダメ。描くことでちょうどバランスが取れる。仕事が忙しくなると逆に描きたくなる。寝ないで描いていた方がストレス発散になるみたい」と明かしているように、いまの大野はやりたいことと仕事のバランスがうまく取れるようになったのだろう。

 奈良美智が今回の大野のアート作品から、作家としての新鮮な心意気を感じたのは、そうした大野の心境の変化が反映されているからではないだろうか。7月24日には『大野智作品集 FREESTYLE II』も発売しているので、彼の作品がどのように進化したのか、ぜひその目で確かめてほしい。

(文=松下博夫)

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