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小野島大の新譜キュレーション 第1回

ケミカル、T・ラングレン、DJ NOBU、VILOD……今聴くべきテクノ~エレクトロニカ系新作は?

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 海外に目を向けてみましょう。チリ出身のミニマル・テクノの第一人者リカルド・ヴィラロボスと、元サン・エレクトリック~モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオのマックス・ローダバウアーのデュオ、VILODのファースト・アルバム『Safe in Harbour』(PERLON / Disc Union)です。シンプルな四つ打ちのトラックはほとんどなく、シンコペイトする変則リズムを中心としたエクスペリメンタルなミニマル・テクノ〜エレクトロニカです。アブストラクトでありながらプリミティヴなグルーヴと亜熱帯の熱を感じさせる「テン年代のジャズ」としても聴ける傑作と言えるでしょう。起伏に富んだ繊細で官能的なアレンジと音色が、聴けば聴くほど味わい深い。このへん、できるだけいいオーディオ装置で、大きな音で体感したいところ。

 オランダのDJ/プロデューサーのボビー・ビューニックことCONFORCEの『Presentism』(Delsin)。いわゆるミニマル・ダブと言われるタイプですが、今作はメロディアスで繊細な歌心を感じさせるアトモスフェリックでムーディーなアンビエント・ハウスとしても聴ける仕上がりになっています。深夜に酒でも飲みながらぼんやり聴いていると、とても気持ちがいい。Apple Musicを始め各種ストリーミング配信サイトでも配信されているので、まずはお使いのサービスで聴いてみてください。

 2年前のファースト・アルバム『レガシー』が衝撃的だったシカゴ・ゲットー発のジューク/フットワークの第一人者RP ブーの新作『フィンガーズ、バンク・パッズ、シュー・プリンツ』(melting bot / Planet Mu)。ファーストも凄かったですが今回も凄い。エキセントリックで変態的なポリリズムと、発狂したとしか思えない素っ頓狂なサンプリング、徹底的に無機質で乾いたグルーヴが、シンプルにしてフィジカルなパワーを生む、まさしくゲットー・ファンクの真髄です。お上品さのカケラもない真性ストリート・ミュージックですが、同時にダンス・ミュージックの最先端でもあります。途方もない活力に溢れた大傑作です。Apple Musicで配信されています。

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