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25周年記念ライブ映像を徹底分析

人間椅子、なぜいま絶頂期? 兵庫慎司がその特異なキャリアを紐解く

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 そのように活動を続けてきた人間椅子に、2012年あたりからじわじわと変化が訪れる。同年、ももいろクローバーZのシングル『サラバ、愛しき悲しみたちよ』のカップリング曲「黒い週末」に和嶋がギターソロで参加したり。2013年には『ARABAKI ROCK FEST.13』や『OZZFEST JAPAN 2013』に招かれたり。動員もツアーのたびにアップの一途を辿り、大阪のライブハウスのスタッフに「こんなに長く活動しているバンドでこういうことは普通あり得ない。アンケートをとるとかして、ちゃんと調べたほうがいいですよ」と言われたりしながら、その動員に合わせてライブ会場のキャパを上げていき、2015年1月24日にはデビュー25周年を記念して渋谷公会堂でワンマンを行うことになる。渋公でのワンマンは20年ぶり3回目だが、チケットがソールドアウトしたのは初めてだったという。確かに考えられない、こんなに長くやっているバンドで、今がいちばん動員があるというのは。

 さらに2015年5月には、旧友筋肉少女帯と合体、「筋肉少女帯人間椅子」としてシングル『地獄のアロハ』をリリース、話題になる。6月7日に渋谷公会堂で行ったワンマンは、当然のようにソールドアウト、大盛況だった。

 各フェスで初めて人間椅子を観た人たちが、新しいファンになった。ももクロや筋肉少女帯とのコラボレーションによって、知られる機会が増えた。何周もして時代が追いついた。もしくは、時代に追いついた。順番が回ってきた。今だからこそ正当に評価されるようになった──どれも間違ってはいないだろうが、でも、どれも、それで納得、ということでもない気がする。

 先に記したように、人間椅子がやったことは、グランジ/オルタナティヴやミクスチャー/ヘヴィ・ロックのバンドたちがやったこととある意味同じだった、それが年月を経て正当に評価されるようになった──という話にすれば収まりがいいのかもしれないが、それも「ある」けど100%ではないだろう。だったらもっと早く評価されてもよかったわけだし。

 7月1日にDVD/Blu-rayとしてリリースされた、前述の25周年ライブ『苦しみも喜びも夢なればこそ「現世は夢~バンド生活二十五周年~」渋谷公会堂公演』を観る。人間椅子はこう変化したから受け入れられたのだ、というようなわかりやすいポイントは、やはり見当たらない。25年前や15年前と同じように、やりたいことを正面から力いっぱいやっているだけだ。

 もちろん時代によって進化したり変化したりしているポイントはあるが(特に歌詞の深化は顕著)、大きくは変わらない。だから明確にはわからない、なぜこのバンドが、2015年の今、こんなにいい状況を迎えられているのか。

 ただ、人間椅子がこうして大きな規模で受け入れられるこの状況って、よくないことかいいことかといったら、もちろん、いいことだと思う。

(文=兵庫慎司)

■リリース情報
『苦しみも喜びも夢なればこそ「現世は夢~バンド生活二十五年~」渋谷公会堂公演』
発売:2015年7月1日
価格:Blu-ray Disc ¥5,500(税込)
DVD(2枚組) ¥4,500(税込)
01. 宇宙からの色
02. 地獄への招待状
03. 新調きゅらきゅきゅ節
04. ねぷたのもんどり
05. 神経症I love you
06. 桜の森の満開の下
07. 今昔聖
08. 洗礼
09. 悪徳の栄え
10. 冥土喫茶
11. 深淵
12. 蜘蛛の糸
13. 地獄の料理人
14. 迷信
15. 針の山
16. 陰獣
17. 見知らぬ世界
18. なまはげ

特典映像
MUSIC VIDEO
なまはげ / 宇宙からの色

■ライブ情報
『屋根裏の散歩者~「現世は夢」ライブDVD発売記念ツアー~』(全7公演/全てワンマン)
7月16日(木) 博多 DRUM Be-1
7月18日(土) 香川 高松 Olive Hall
7月20日(月祝)心斎橋 BIGCAT
7月22日(水) 名古屋 Electric Lady Land
7月24日(金) 渋谷 TSUTAYA O-EAST
7月30日(木) 札幌 Bessie Hall
8月1日(土) 青森 Quarter

http://ningen-isu.com

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