『ハルカトミユキワンマンライブ 2015 ‘世界’』レポート
ハルカトミユキ、“音楽を届ける覚悟”を込めた渾身ライブ 10月日比谷野音フリーライブの発表も
ハルカトミユキが6月19日、恵比寿LIQUIDROOMにてワンマンライブを行った。今年は「毎月、新曲を発表する」などのマニフェストを掲げ、精力的に活動する彼女たち。『ワンマンライブ 2015 ‘世界’』と名付けられた本公演では、2015年に発表された楽曲を中心に、アンコールを含めて全19曲が披露された。
浮遊感のあるシンセサイザーの音が響くなか、真っ赤なドレスワンピースに身を包んだハルカと、サイドを大胆に刈り上げたヘアスタイルのミユキが登場。駆け出すようなドラムから「世界」が始まると、ハルカは体を揺らし、ときどき前方に手を伸ばすなど、全身で表現しながら歌い始める。
曲間で「ハルカトミユキです!」と挨拶し、休むことなく披露されたのは、エレキギターの尖ったサウンドが印象的な「バッドエンドの続きを」。弾むようなリズムがポップな「ヨーグルト・ホリック」では、ミユキが跳ねながら観客を煽り、会場に熱を広げていく。サウンドや歌詞がポップに洗練され、より幅広いリスナーにアプローチする方向性に変化した彼女たちの“今”を象徴するような序盤となった。
途中のMCでは、ライブタイトルでもある“世界”に絡めて、ミユキが「いつか(海外で、ライブを)やりたいよね」と話しかけたが、ハルカはギターのチューニングに集中……というマイペースぶりを発揮し、会場を笑わせるという一幕も。
その後、ハルカの小学校時代の思いが綴られた「未成年」、繊細なキーボードが美しい「マゼンタ」を経て、5月のマンスリーソング「春の雨」へ。儚げなサウンドに乗せて、つややかなハルカのハイトーンボイスが会場を包む。どの曲においても、ハルカのボーカルは伸びやかさが増した印象を受けた。
ダークバラード「君はまだ知らない」を終えると、ハルカが吉田拓郎の「流星」を弾き語りで熱唱。24日に配信された「COPY」を披露する前には、「相手が思っていることがうまく理解できなくて、自分はだめな人間なんじゃないかって悩むことがよくある。表情や言葉を真似してみたりするんだけど、うまくいかなくて、怖い」と、コミュニケーションへの不安が落とし込まれた楽曲であることがハルカの口から告げられる。音源ではバンドサウンドだが、この日は冷たい響きの和音が耳に残るキーボードのみで、しっとりと、しかし激しく歌い上げられた。