ポルノグラフィティ『オー!リバル』はなぜロングヒットに? 新たな代表曲の魅力を読み解く

 この頃にポルノグラフィティは、アニメやドラマの世界観をテーマに楽曲を制作する、という手法を確立したといえよう。2008年、初の映画主題歌となった楽曲「あなたがここにいたら」も、映画『奈緒子』のストーリーを想起させるもので、その優しい曲調は原作ファンの評価も高かった。そして今作、「オー!リバル」もまた、映画のエンディング場面と楽曲のコラボレーションが秀逸だと、アニメのファンにも好評である。ドラマやアニメなどの作品にリスペクトを込めて、その世界観をより魅力的にしようとする姿勢があるからこそ、彼らは常に新たなファン層を獲得することに成功し、その人気をますます盤石なものにしているのは、想像に難くないところである。

 そして最も注目したいのが、今作の音楽性だ。ガットギターやアコーディオン、ピッコロといった楽器を取り入れたラテン調のサウンドは、「アゲハ蝶」「ジョバイロ」「Love,too Death,too」といった人気曲の系譜に続くもので、ポルノグラフィティの真骨頂と呼べる作品だろう。さらに、アヴィーチー以降、世界的に流行している“オーガニックなサウンドにEDMを合わせた”スタイルに真っ向から挑戦しているのも特筆したいところ。近年、EDMを取り入れる邦楽のアーティストは多数いるが、もともとラテン調の楽曲を得意としていたポルノグラフィティだけに、このスタイルは驚くほどフィットしている。自身のサウンドの個性を活かしながら、しっかりと最新の音楽を取り入れ、自己更新していく姿勢もまた、アーティストとしてリスペクトされ続ける所以に違いない。

 ポルノグラフィティの魅力が最大限に発揮された今回の『オー!リバル』は、彼らにとっても新たな代表曲となり、多くの人に愛聴される一曲となりそうだ。

(文=松下博夫)

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■リリース情報
『オー!リバル』
発売:2015年4月15日
【初回生産限定盤】(CD+DVD / ワイドキャップステッカー仕様)
SECL‐1669~1670 ¥1,600(税込)
【通常盤】(CDのみ)
SECL-1671 ¥1,300(税込)

【収録曲】
M1:オー!リバル  映画『名探偵コナン 業火の向日葵』主題歌
M2:デザイア
M3:空が青すぎて

https://www.pornograffitti.jp/

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