INKT・田中聖の新たな挑戦 元ジャニーズの“良き兄貴分”は再び輝けるか?
たしかに、ルールを破ることはよくない。だが、それほどに自分のやりたいことに熱中するパワーを今どれだけの人が持っているだろうか。仮に、自分がいいと思うものへ素直に突き進む姿勢が、大きな過ちになったとしても、それを挽回するチャンスは必ず巡ってくる。そんなメッセージを田中聖という男の背中に感じる。いわば、ジャニーズの世直し先生。若気の至りを反省するとともに、そんな道を歩んだ自分だから出来るアドバイスがある。そう考えての、「若者に…」発言に繋がったのではないか。
また、今作のタイトルにもなっている「サイサリス」の花言葉は「偽り」だという。田中が作詞した曲には、「偽らなくていいよ」という呼びかけの意味が込められているのだと、メディアのインタビューで答えているのだ。
偽りなく自分の思うままに進む。それは、彼自身がずっと貫いてきた軸のようにも思える。自分が今、表現したいことを思うままに。その姿勢そのものが、すでに多くの人に勇気を与えていることだろう。5月には東京・六本木にて、セカンドライブも決定し、着実に進化を遂げていくINKTに、今後も期待したい。
(文=佐藤結衣)