「ビクターロック祭り」は今年も熱かった 長山洋子から星野源まで全ステージ詳細レポート

Dragon Ash

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 トリ前に登場したのは、「ビクターロック祭り」唯一の2年連続出場となるDragon Ash。数々の修羅場を乗り越えてきたバンドならではの貫禄のステージを展開した。

 DJ BOTSのスクラッチによるイントロダクションから、1曲目は「The Show Must Go On」。パワフルなフレーズの応酬を見せ、Kjは「お待ちかね、ロックバンドの登場だ!」と力強く宣言。「Trigger」では「エブリバディ、ジャンプ!」と客を飛ばせ、「Run To The Sun」では情感あふれるメロディを放つ。

 KenKen(B / RIZE)の超絶ベースプレイを大きくフィーチャーした「The Live」に続いては「百合の咲く場所で」。大きな熱狂に包まれるフロア前方を前に、Kjは曲中で「静かなライブ好きな奴もいると思うけれど、これがバンドのライブなんだよ。サークルモッシュって言うんだよ。後ろから見てやってよ、面白そうだろ」と語り、熱狂する最前のオーディエンスには「最高だ、ロックキッズ!」と呼びかける。

 「俺達みたいなジャンルのバンドがずっと契約してやり続けてること自体、他にないことだと思う」と長年所属しているビクターについて語ったKj。「少なくとも俺が一緒にやってるヤツらのことは誇りに思うし、半端じゃねえチームだと思ってる」と信頼を語る。

 終盤では「ミクスチャーロックは好きですか?」と「Fantasista」に突入しさらにボルテージを上げた彼ら。KjはMCでフェスの数が増えている音楽シーンの現状にも触れ、「ライブは戦場だし、これがやりたくて生きてるけど、それだけじゃダメだと思う。バンドマンも、シンガーも、グループも、みんながいい曲作るからさ。みんなCD買ってください」と語る一幕も。最後には「Lily」を披露し、熱い思いを伝えたドラマティックなステージを締めくくった。

星野源

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 そして、この日のヘッドライナーに登場したのは、星野源。大歓声に迎えられてステージに現れた彼は、豊かなショーマンシップでこの日を締めくくってくれた。

 大歓声に迎えられてステージに現れた彼は、まずは静かにギター弾き語りで「くせのうた」を歌う。続けてはバンドと共に「地獄でなぜ悪い」をアグレッシブにプレイ。「こうしてトリを務めることができて、とても嬉しいです」と、初出演の喜びを語る。

 星野は「俺が『ウンコ』って言ったらみんな『ウンコ』って言ってください」と無茶ぶりのコール&レスポンスを開始。「俺がマイケル・ジャクソンだと思って。マイケルが『サンキュー』って言ったら『キャー!』ってなる感じで」「いいじゃない、そんな一日があったって」と客を乗せて、最終的には黄色い声援の「ウンコ!」と叫ばせる。ふざけながら親密なムードを醸し出したかと思うと、「くだらないの中に」で一転、しっとりとした空気を生み出す。

 この日に出演したハナレグミとバックステージで出会ったことを話し、2年前に病に倒れたときに「励まされた覚えがあります」と永積タカシへの感謝を語った彼。「次の曲は倒れた日に出来た曲なんです」と「化物」を披露。洒脱に跳ねる「ギャグ」「桜の森」を披露し、会場を盛り上げる。

 ラストは「せーの!」でお客さんをジャンプさせ、それを合図に「夢の外へ」に突入。華やかでポップな曲調と瑞々しい歌声で本編を締めくくり、「アンコールあるからね!」と爽やかに告げてステージを降りた。

 暗転を経て、「アンコールは星野源、思い出の一曲をお届けします」という呼び込みから、サングラスと長髪のカツラ、タキシードに蝶ネクタイをまとって登場。星野源のワンマンライブではおなじみの、布施明ならぬ“ニセ明”だ。「意味わかんないでしょう!? 俺も!」と笑い、布施明のカバー「君は薔薇より美しい」を熱唱する。

 レキシをステージに呼び込み和やかなトークを繰り広げた後には「これからも星野源、そしてビクターをよろしくね!」と、サングラスに長髪の姿のまま「CRAZY CRAZY」を披露。「最後の最後まで、本当にお疲れ様でした」「また会いましょう」と、長丁場となったビクターロック祭りを締めくくった。

 こうして、約11時間にわたり様々なステージが繰り広げられた「ビクターロック祭り」。世代やスタイルは異なれど、さまざまな繋がりと、それぞれのミュージシャンシップを感じさせる一日になったのではないだろうか。

(文=柴 那典/Photo by Rui Hashimoto / Azusa Takada[SOUND SHOOTER])

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